シェア9割のイ草産地直撃=農家「作業小屋倒壊で織れず」―熊本地震

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2026年08月18日 07:32  時事通信社

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時事通信社

地震の影響で倒壊した作業小屋を見詰めるイ草農家の大岩浩太郎さん=14日、熊本県八代市
 最大震度7を観測した地震は、全国のイ草生産量の9割を占める熊本県八代市を直撃した。市内の農家は作業小屋が倒壊するなど被災し、イ草を織れない状況が続いており、関連業者や畳の価格にも影響を及ぼしている。

 「笑うしかない…」。同市千丁町古閑出のイ草農家、大岩浩太郎さん(39)は倒壊した小屋を見詰め、顔をゆがめた。イ草の収穫時期を終え、畳表に加工する作業に入ろうとした矢先の出来事だった。所有する全5台の織機は倒壊した小屋の下敷きに。約2000袋のイ草は、加工できず倉庫に眠ったままだ。作業に移れない日々が続き、「収入面が心配だ」と吐露する。

 大岩さんは約1500平方メートルの田んぼで高級イ草「ひのみどり」など3品種を栽培している。今期は気象条件が良く、「特にいい出来だっただけに残念」と肩を落とす。新しい織機を購入し加工作業に取りかかるつもりだが、小屋再建のめどは立っていないという。

 地震による断水の影響にも頭を悩ませる。8月は本来苗を植え始める時期だが、用水路を流れる水量は普段の半分以下のまま。来期の作付けにも影響しかねず、「早く水量が戻ってくれれば」と気をもむ。

 同市千丁町新牟田の農家で市議の友枝和也さん(55)も4台あった織機のうち2台が地震で破損。特注のため1台当たり200万〜300万円と高額で、昨年の豪雨では浸水した織機や乾燥機の復旧に約1200万円かかった。手元に600万円の借金を抱える中、2度目の災害に見舞われた。

 友枝さんによると、特に後継者のいない高齢な農家の作付け継続が課題となっている。数少ない産地として生産を維持するため、複数農家が共同で作付けするなどの仕組みを検討しているという。

 農家の被災は卸売業者にも影を落としている。同市で100%熊本県産の畳を販売する会社の社長は「手元には数日分の在庫しか残っていない。2割ほど値上げをしてしのいでいる」と明かした。

 「JAやつしろ い業センター」(同市)によると、県内のイ草農家は約200軒で、その多くが八代市や震度7を観測した氷川町と宇城市に集まっている。被害状況は調査中で、全容は分かっていないという。 

地震で作業小屋が倒壊し、言葉に詰まるイ草農家の大岩浩太郎さん=14日、熊本県八代市
地震で作業小屋が倒壊し、言葉に詰まるイ草農家の大岩浩太郎さん=14日、熊本県八代市


今年収穫したイ草を手にする大岩浩太郎さん=14日、熊本県八代市
今年収穫したイ草を手にする大岩浩太郎さん=14日、熊本県八代市

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