珍しくも切ない光景 ヒョウの赤ちゃんに優しく毛づくろいをする野生ヒヒ(南ア)<動画あり>

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2020年12月06日 06:51  Techinsight Japan

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ヒョウの赤ちゃんに優しい一面を見せるヒヒ(画像は『LatestSightings.com 2020年12月1日「Baboons Steal & Groom 2 Leopard Cubs」』のスクリーンショット)
南アフリカ全土に出没する獰猛なヒヒ「バブーン」。マイナスイメージしかないバブーンだが、ヒョウの赤ちゃんを愛おしそうに抱いている姿が捉えられた。しかもそんな珍しい光景は、同じ頃に2か所で目撃されたという。『LatestSightings.com』が伝えている。

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ヨハネスブルグから北西170キロほどにあるピラネスバーグ・プライベート自然保護区(Pilanesberg Private Game Reserve)である日の午前11時頃、ポール・ウッドさんがバブーンを目撃した。早朝のゲームドライブを終えてロッジに戻ろうとした時、車に向かって歩いてくるバブーンの大群に出会ったという。

ポールさんがその群れを眺めていたところ、最後列にいた若い雄のバブーンに目が行った。このバブーンは脇腹に何かを片手で抱きしめているようだった。車からわずか10メートルほどしか離れていない場所にいたが、バブーンが動き出した瞬間、その何かがヒョウの赤ちゃんであることを知り息を呑んだ。ポールさんや一緒にいたガイドもヒョウの赤ちゃんはすでに死んでおり、それを食べるために拾ったか、バブーンが殺したのではないかと思っていた。だがヒョウの赤ちゃんは生きていたのである。

「自然の中で目撃するには、非常に不自然な光景だった」と明かしたポールさんは、このように語っている。

「大人のバブーンがヒョウの赤ちゃんを運ぶことはあり得ないし、赤ちゃんは母親と一緒にいるべきなんです。この不自然な光景を目撃した人なら、バブーンがヒョウの赤ちゃんに興味を失って去っていくことを願っていたと思います。確率は非常に低いが、赤ちゃんが母親と再会するかもしれないと、皆が思っていたでしょう。しかしバブーンはヒョウの赤ちゃんに興味津々で、横で静かに座っていました。時々赤ちゃんをチェックして身体をやさしく撫でていました。」

このバブーンはヒョウの赤ちゃんを見守り、また赤ちゃんを抱いて群れについていくという動きを続けていたが、群れとの距離が広がり過ぎた頃、バブーンは赤ちゃんを抱いたまま叢の中に入って姿が見えなくなったそうだ。

ポールさんは「雄のバブーンと生きたヒョウの赤ちゃんという組み合わせを見ることは、二度とないだろうと思いました。しかし同時に苦い思いがこみ上げてきました。赤ちゃんが母親と離れて何時間も生きることができないと知っているからです」と、自然の掟に抗えない苦しみも吐露した。

そして偶然にも同じ頃、アフリカの野生動物を撮影する写真家のローレン・プレトリウスさんもバブーンがヒョウの赤ちゃんを抱いている光景に出くわし、優しくなでている姿が写真に収められている。ポールさんと同じバブーンだと思われたが、ローレンさんが見たのはクルーガー国立公園内のオリファント(Olifants)というモザンビーク国境付近で、500キロ以上離れた場所でポールさんが目撃した直後だったため、全く別のバブーンと赤ちゃんの組み合わせであることが明らかになっている。



画像は『LatestSightings.com 2020年12月1日「Baboons Steal & Groom 2 Leopard Cubs」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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