行方不明の83歳女性の捜索が難航　ペットの黒猫が鳴き続け発見に一役買う（英）

「近所に住む83歳の女性と連絡が取れない」―心配した近所の住民から寄せられた通報に、警察は捜索を始めたがなかなか見つからない。ところがしきりに鳴き続けていた1匹の黒猫のおかげで、20メートル下の小川に転落して身動きが取れない状態の女性が発見された。黒猫は女性の愛猫だといい、通報者が発見に一役買った黒猫の活躍ぶりを『Sky News』のインタビューで明かした。

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英コーンウォールのボドミンに暮らすタマル・ロングミュアーさん（Tamar Longmuir、38）は今月14日午後、普段連絡を取っている近所の83歳の女性と1時間以上連絡が取れず、「何かあったのでは」と思いボドミン警察に通報した。

警察はすぐに女性を探し始めた。タマルさんもトラックを走らせて畑や農場へ探しに行ったが女性の痕跡は見つからず、タマルさんの家族も捜索に加わったが女性に関する手掛かりはなく困難を極めた。

それでも探し続けていると捜索していた1人が、近くにあったトウモロコシ畑の門の上で黒猫が鳴き続けていることに気付いた。この猫が女性の愛猫である“ピラン（Piran）”だと分かったタマルさんは「ピランはいつも飼い主である彼女にべったりなので、門の近くに1匹だけでいるのは珍しいことです」と明かした。

タマルさんはしきりに鳴き声をあげるピランを不思議に思い、その周囲を探してみることにした。7フィート（2メートル超）もある背の高いトウモロコシが生い茂っており、道が狭く足元の悪い場所だった。タマルさんは大声で女性の名前を呼びながら歩いていると、途中で呼び掛けに反応する声が聞こえたという。

「非常に微かな反応でした。その後すぐに、70フィート（約21メートル）下の小川へ転落していた彼女に気付いたんです。」

その場所は小川の横を急斜面が囲む渓谷のようなところで、滑落の危険があったため有刺鉄線が設置されていた。女性はこの付近で足を滑らせてしまったようで、約20メートルの高さから落ちてしまい、下の小川で身動きが取れなくなっていたのだ。


女性の容体を確認するため、タマルさんは急斜面を慎重に降りて女性に近付いた。女性の無事を確認して携帯で捜査隊に連絡しようとしたが、電波が入らなかったので途中までよじ登らなければならなかったという。

こうしたタマルさんの話からも、相当アクセスの悪い場所だったことがうかがえる。そのため警察の捜索も難航していたようだ。

「すぐに12台の車と25人の救急隊員が駆けつけてくれました」とタマルさんは当時を振り返る。現場に派遣されたコーンウォールの消防隊や水難救助隊、航空救助隊、救急サービス（South Western Ambulance Service）が転落した女性を吊り上げるようにして救出すると、発見からおよそ2時間後に女性はドクターヘリで病院へ搬送された。

幸いにも女性の命に別状はなく、治療は続いているものの容体は安定しているという。タマルさんは「ピランが門の上にいなければ、彼女を発見するまでにさらに何時間もかかっていたかもしれません」と話す。高齢の女性が約20メートル下に転落というだけでも命に関わる危険性があったため、大好きな飼い主のために取ったピランの行動は大手柄だった。

そんなピランの活躍に、ネット上では「ご褒美のおやつをあげよう」「ピランを含めた救急サービスの仕事ぶりが素晴らしい」「ピランは飼い主の女性と強い絆で結ばれているんだろうね」「飼い主を放っておかなかったピランは本当に賢い猫だ」など驚きや称賛の声が寄せられている。

なお現在のピランは女性の友人のもとで過ごしており、大好きな飼い主の回復を心待ちにしているそうだ。

画像は『Fox News　2021年8月18日付「Cat’s meowing helps rescuers find owner, 83, who fell down a ravine」（Bodmin Police）』『Bodmin Police　2021年8月15日付Facebook「*Update - Whilst the lady concerned is still currently receiving care, she is in good spirits and is being well looked after.」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）