地震に続きまた孤立…住民ら、飲料水や食料に不安「悲しい気持ち」

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2024年09月23日 19:03  毎日新聞

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毎日新聞

土砂や倒木が流れ込んだ国道249号=2024年9月22日午前、石川県輪島市大野町で中橋幸雄さん撮影

 復興のさなかにあった能登半島で再び、集落が孤立した。各地で土砂崩れが起きたり、道路が壊れたりしているためだ。「とにかく不安だ」。住民から嘆きの声が上がった。


 石川県輪島市大野町では市中心部とつながる国道249号が通れなくなり、孤立状態となった。「またか」。地震の時と同じ場所が崩落するなどしており、印刷業の中橋幸雄さん(68)はがくぜんとした。


 大野町は市中心部の東側にあり、能登半島地震で国道249号が寸断して孤立した。9カ月後に再び襲った豪雨。中橋さんが町内を見て回ると、国道に土砂が流れ込むなどしていたという。


 正月の地震では住民らが公民館に集まり、持ち寄った食料でしのいだ。中橋さんは「いつ救援物資が届くか分からず、水が問題だ。市街地から遠い地区の皆さんはもっと心配なはずだ」と話した。


 「まさかまた、こんな災害が起きるなんて。再び集落が孤立し、停電で家の中も真っ暗。二度、三度悲しい気持ちです」


 輪島市中心部から車で約15分。海沿いの鵜入(うにゅう)町の集落に住む堂前三郎さん(76)が声を落とした。


 普段は透明度の高い自宅前の青い海。豪雨の後は数百メートル先まで土色に変わっているのが見えた。復旧したばかりの県道は土砂崩れで通れなくなり、周囲から孤立した。


 元日の地震でも県道は通れなくなり、堂前さんの家族4人は自衛隊のヘリコプターで運ばれた。約2カ月間、市外での避難生活を余儀なくされた。


 地震前には約20世帯が住んでいた集落では、ほとんどの住民が戻ってきた。生活を立て直す中で追い打ちをかけるような豪雨。備蓄の食料でつないでいるが、飲料水は数日で尽きそうだという。堂前さんは「今後の生活がどうなるのか、とにかく不安で想像もつかない」と話した。【竹中拓実、古川幸奈】



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  • 仮設住宅が床上浸水したとか。その住宅は川のすぐ横に作ってあった。場所が無いのかもしれないけど、あそこじゃ浸水して当然なぐらい。そもそもが限界集落が点在しているから。
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