“名言グランプリ”に「虎に翼」寅子の言葉「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」

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2024年12月12日 12:00  ナリナリドットコム

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テレビ・SNS・雑誌などから年間300以上の名言を集める伝え方研究所は12月12日、「名言グランプリ2024」のベスト3を発表。第8回目となる今年は、グランプリに、朝ドラ「虎に翼」の佐田寅子(伊藤沙莉)の名言「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」が輝いた。

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今年「最も素晴らしかった名言No.1」に選ばれたのは、連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)で、日本初の女性弁護士、後に裁判官となった主人公・寅子の名言。第67話で、「現実をちゃんと見ろ、理想ばっかり追いかけるな」との同僚の声かけに対して、怒りを抱きながら発した言葉だ。

審査員を務めたジャーナリスト・田原総一朗氏は「この言葉の通りだと思います。今は特に若い世代に理想がない。『どういう企業に入りたい』と尋ねて1位『倒産しない企業』と答えたという調査があるんですね。1回しかない人生をかけて何をしたいかを見つける。それが教育の役割だし、日本の教育を、そのように変えていかなければならないと感じています」とコメント。

同じく審査員の実業家・堀江貴文氏は「私もまさにそう思っています。逆に理想を掲げないで生きるとかって、あんまり意味がない。ドラマは実際に理想を掲げ続けて世の中を変えてきた人のお話なんで、非常に重みがある。僕自身は割と楽しく生きているのですが、理想を掲げ続けても、周りは批判し続けてくる。でも、批判するやつは何も考えてないんで。自意識過剰になってなければ、他人に言われることとか世間的な評価とかを気にする必要はなくなると思います」と話し、坪田塾・塾長の坪田信貴氏も「理想を理想と終わらせずに『それを達成しよう。同じ方向を向こうぜ』というのを常に意識することが、会社とか組織をマネジメントする上で最も重要なことだと思っています。折り紙と同じで、最初に1ミリ2ミリずれてると、最終的に折り鶴を作り続けたときに、くちばしとかグチャグチャになったりする。だから、最初に目的とか理想とかをちゃんと共有し、手を抜かずにやる続けることが本当に重要だと思いますね」と語った。

惜しくもグランプリを逃したものの、2位に選ばれたのは、Netflixドラマ「極悪女王」第1話で、松永高司(村上淳)が語った「結局は好きなように生きたやつが勝ちなんだよ」。貧しい家庭で育った主人公・松本香(のちのダンプ松本/ゆりやんレトリィバァ)が、幼少期から憧れていた女子プロレスのオーディションを諦めかけたとき、全日女子プロレス社長・松永高司が香に放った言葉だ。

審査員の田原氏は「僕はまさに、このコトバを生きてるんです。高校生の時に『なんで大学に行かなきゃいけないの?』と先生に聞いたら、『当たり前だろう。大学に行かないと良いところに就職できない』と。そこで『就職しないといけないんですか?』と先生に聞いたら『当たり前だ』と。でも何人目かの先生の回答は面白かった。国語の先生だったんだけど『1回しかない人生を、生きるんだ。1回しかない人生を生きるのに、一体なにがしたいのか。これを考えるのが教育だ』と。どうも日本は、1回しかない人生を、なにがしたいのか考える教育を受けていない。日本は、教育を変える必要があると思います」とコメント。

同じく審査員の「伝え方が9割」著者・佐々木圭一氏は「この数年、劇的に世の中が動いていて、そんな時代にこそ響く名言。好きなように生きるって楽しいと思うけれど、楽しいだけじゃなくて批判もされることもある。当初の夢を諦めることも結構あると思う。夢を諦めそうになっている人や、これからの人生どうしようと思っている人の背中を押してくれる、素敵な名言だと思います」とコメントを寄せた。

3位は「(左利きの人にとって)世の中の人はみんな右利きだから手がつなぎやすい」。「左利きの苦悩」をテーマにした、小学3年生の夏の自由研究に記された言葉で、ハサミが使いづらかったり、自販機に小銭が入れづらかったりと、左利きには悩ましい点があることに触れつつ、「でも世の中の人はみんな右利きだから手がつなぎやすい」と締めた言葉は、SNSで話題になった。

審査員のモデル・田中里奈は「私はこれを読んだ瞬間に、『これが1番いいな』と思いました。いま『多様性って大事だよね』と言われているけれど、どういうふうに共生していけばいいのか、世の中が試行錯誤しているときだと思います。どう手を繋いだらいいか、尊重し合ったらいいかわからない人が多いなかで、それぞれの個性をやさしく繋ぐような、共存のヒントになるあったかい言葉だなと思います」とコメント。

坪田氏は「最初『えっ』と思ったんです。というのも、もし2人が向かい合っていたとしたら、右手と左手は、手をつなぎにくいから。だけど多分、この子が思っているのは、同じ方向を向いて横に並んでるときなんじゃないか。その関係性も含めて、素敵だと思いました」、信州大学社会基盤研究所特任教授の山口真由氏は「正直申し上げて、私たちの多くが“多様性”という概念に疲弊しています。上から『正しさ』を押し付けられても心は乗れないものです。そんなとき、右利きの人が多い世の中で少数者である左手の人の苦悩と誇らしさを大げさでなく表現した言葉は、違うものが合わさることこそ価値だと自然に頷かせてくれました」と語った。

4位は、タレント・プロ雀士の岡田紗佳の言葉「とにかく丁寧に『80%』を続けています」。岡田は「試合に臨む前に、80%の力を出せればいいと思うようになりました。人間なのでちょっとしたミスは絶対起きる。だからS級ミスだけはしないように。とにかく丁寧に『80%』を続けています」と語っていた。

審査員のダイヤモンド社編集者の土江英明氏は「丁寧にやったほうが、結局スピードって早くなると日頃から感じていました。急いで物事にあたるよりは、一つ一つ丁寧にやったほうが結果的に早くなる。岡田紗佳さんは2024年を代表する一人だと思いますが、そんな岡田さんの麻雀への向き合い方をみていると、80%と言いながら、100%でやられているような印象を感じます」とコメント。

山口氏は「現実世界では100%のパフォーマンスを継続することはほぼ不可能です。私たちは常に複数のタスクを抱え、限られた時間を家族に趣味に仕事に配分している。疲れている。体調は常に万全とは限らない。そんな現実を前提に、80%を継続することこそがプロフェッショナルだという発想の転換に打たれました」と語った。

5位はドジャース・大谷翔平選手の名言「メンタルがプレーに影響するとは思ってない」。通説をくつがえすコトバに、ネットでは「一流すぎる」「そのくらいのメンタルがあってこその活躍」と称賛が相次いた。

審査員の佐々木氏は「今まで僕は、完璧の状態とは『全部準備はできて、あとはもうメンタル次第』ということだと思ってたのですが、それを超えた場所があるんだなと。メンタルさえも、もはや影響しない、次のステージがあると知れたことは、今年の中でちょっと鳥肌が立つような、そんな名言だなと思いました。ドラゴンボールで言うならば、神様の先にまだ界王様がいたみたいな、次のステージがあるんだと感じさせる言葉でした」と評した。

総括として、伝え方研究所編集長の杉直樹氏は「2024年のグランプリは、人気の朝ドラ『虎に翼』の言葉『理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ』に決定しました。『性別や身分にとらわれず自由に生きる』という理想からほど遠かった戦後社会で、それでも理想を掲げ続けた主人公・寅子の言葉に、多くの共感が寄せられました。ちなみにこの言葉、よく見ると『掲げなきゃ』ではなく『掲げ続けなきゃ』となっていることに気づきます。理想は憲法に掲げられたけれど、『一度掲げて終わり』ではなく、掲げ続けなければ無価値になってしまう。そんな“継続の大切さ”を訴えるメッセージ性を、個人的には感じました」とコメント。

そして「ひるがえって現代も、社会情勢は目まぐるしく変化しています。信じられないようなニュースが次々と飛んでくる中で、一度掲げた夢を、そのまま掲げ続けることは、とても難しい時代に私たちは生きていると思います。この言葉が輝いて見えるのは、そうした時代性も背景にあるのかもしれません」と語った。


元記事はこちら:https://www.narinari.com/Nd/20241292025.html



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