１６歳長男に懲役１０〜１５年求刑＝両親殺害、一部否認―横浜地裁

　相模原市南区のマンションで昨年２月、両親を殺害したなどとして、殺人などの罪に問われた長男（１６）の裁判員裁判の公判が１０日、横浜地裁（吉井隆平裁判長）であった。検察側は「強固な殺意に基づき冷静に実行した」として懲役１０〜１５年を求刑。弁護側は母親から「『殺して』と言われた」として嘱託殺人罪の成立を主張し、保護処分が妥当だと訴えた。判決は２０日。

　検察側は論告で「父親から交際相手と会うことを禁じられたために殺害した」と指摘。母親の依頼はなく、警察への通報を阻止するために殺したとして、刑事処分が相当だと述べた。

　最終弁論で弁護側は、両親から身体的・精神的虐待を受けて自暴自棄になっていたとした上で、「殺人事件としては加害者だが、大変な虐待を受けた被害者だ」と強調した。