青春の新宿アルタ、2月いっぱいで閉館（1980年~2025年）【TBSアーカイブ秘録】

新宿アルタは1980年4月にJR新宿駅東口前に開業した商業施設で、約45年間にわたり多くの人々に親しまれてきました。新宿のランドマークのひとつだったアルタが、2月末日をもって閉館します（アーカイブマネジメント部 疋田 智）

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昨日の新宿アルタ

新宿アルタといえば正面のアルタビジョンです。
2月27日はそこに、数々のゆかりの芸能人たちが映され、それぞれにアルタの想い出を語っていました。

そして明るく「閉館」の文字が。80年〜90年代を象徴するスタジオアルタは最後まで、明るく軽やかなあの時代のノリでした。

やっぱり「いいとも」ですよね

新宿アルタは、ファッションや雑貨、エンターテインメント関連のショップが集まる複合商業施設として開業しましたが、特に有名なのは、1982年から2014年まで放送されたフジテレビのバラエティ番組『笑っていいとも！』の公開生放送が行われていたことです。

また、建物正面の大型ビジョン「アルタビジョン」は、新宿駅東口を代表する風景の一部として、多くの人々にとって馴染み深い存在でした。

80年代90年代を象徴するように

「いいとも」の生放送だけではありません。アルタビジョンは数々の出来事を映し出してきました。

天皇皇后両陛下の結婚が決まったときも、野茂選手がメジャーで大活躍したときも、その様子が大画面に映し出され、テレビ各局はそれをさらに撮って「こんなに大事件」というのを自ら確かめたものです。

今のようにどこにでも大画面がある時代ではありませんでした。

大声大会にエイズキャンペーン

アルタ前広場では、数々のイベントも行われました。

のど飴メーカー主催で「大声大会」、はたまたAIDS予防のキャンペーンなども。
アルタ前には毎日、多くの買い物客や観光客が訪れ、待ち合わせ場所が「アルタ前」というのは渋谷の「ハチ公前」と並んで一種の定番でした。

閉館の理由は

新宿アルタの閉館の背景には、インターネット通販の普及や、大型商業施設の競争があるということです。ビル全体の売り上げが低迷し、今後の収益の改善も見込みづらいことから閉館が決まったといいます。

また、新宿駅周辺では再開発が進んでおり、ビルの老朽化や土地の有効活用が検討されていることも大きな理由です。

閉館後の新宿アルタの跡地利用については、現時点では正式な発表はありません。