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2月下旬、X(Twitter)で盛り上がりを見せたネットミーム「エッホエッホ」。ユーザーの間では、大手企業の公式アカウントなどが異例の速さで流行に便乗したことが話題を呼んでいる。ネット文化に詳しい識者は「一般ユーザーが遊びだしてから、企業や公的機関が参戦するまでのタイムラグは、従来あまり見られなかった短さ」だったと分析する。
●「仕事の速さ」に驚きの声
「エッホエッホ」とは、メンフクロウの赤ちゃんが芝生の上を走っている写真に「エッホエッホ 〇〇をしなきゃ エッホエッホ」という文言を添えたネットミーム。2月24日にあるユーザーが投稿したのをきっかけに話題を呼び、広く拡散された。
ネットミームは一般ユーザーの間で自然発生的な盛り上がりを見せることが少なくない。今回は大手企業など、知名度のある公式アカウントが早い段階から流行に乗ったことが特徴だった。
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弁当チェーンの「ほっかほっか亭」公式アカウントは2月25日、メンフクロウのような形をした唐揚げが走っているように見える画像を投稿。その対応スピードが「ミームの鮮度が高すぎる」「企業ネタにしては鮮度高すぎるやろ」と話題を呼んだ。
26日には「大阪・関西万博」公式アカウントが、万博マスコットの「ミャクミャク」が「いよいよ再来月に開幕するってみんなに伝えなきゃ」と駆ける画像を投稿。この投稿に対しても「行政ってこのスピードで動けるのかよ」「滅茶苦茶仕事早い」と、対応速度に言及する反応が聞かれた。
27日には「シルバニアファミリー」の公式アカウント、28日にはポケモンの公式アカウント「ポケモン情報局」が、自社キャラクターの人形を登場させる形でミームに乗っかっている。
●識者の見解は
ネットメディア研究家の城戸譲氏は今回のミームについて、「一般ユーザーが遊びだしてから、企業や公的機関が参戦するまでのタイムラグは、従来あまり見られなかった短さ」だったと分析する。
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急激に拡散された理由としては、画像の構成要素が「芝生とメンフクロウ(になぞらえた物体)」の大きく2つと情報量が少なく、理解しやすかった点が考えられると指摘。元ネタが「けなげな動物」ゆえに、見た人を不快にさせず、ポジティブな気持ちにさせるものだったことも、バズりに一役買ったのではないかとする。
大手企業などが「異例の速度」でミームに参加した背景には、ミームにすぐさま乗っかれる「手軽さ」と、企業広報にマッチする「構文」があったと城戸氏。商品画像を芝生と合成すれば、すぐに作成できる点は、SNS担当者の工数もかからず好都合だと指摘する。
また、「『○○しなきゃ』といった自発的な言い回しが、あまり押しつけがましくないことも、企業にとっては使い勝手が良いはずです。もし元ネタが『○○してくれ』といった要求形式だったら、投稿のハードルも高くなっていたはずです」と、言葉のニュアンスも重要だったのではないかと話した。
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