火災の鎮圧が宣言された岩手県大船渡市の山林=9日午後、同市 岩手県大船渡市は9日、先月26日に発生した山林火災について、延焼の恐れがなくなったとして鎮圧を宣言した。市は9日、新たに同市赤崎町4地区の361世帯882人に対する避難指示を解除。残る979世帯2424人への避難指示も、10日正午までに全て解除する見通し。
市によると、火災による建物被害は210棟に上った。住宅被害は102棟で、うち76棟が全壊という。これまで建物被害は78棟としていたが、現地調査が進み、大幅に増えた。
火災は2月26日午後1時ごろ、同市赤崎町で発生。焼失面積は市全体の約9%に当たる約2900ヘクタールまで拡大した。火災では同市三陸町綾里の柴田吉郎さん(90)が亡くなった。
渕上清市長は9日の記者会見で、鎮圧と判断した理由について「延焼拡大の危険がない」と説明。今後、再燃の恐れがない「鎮火」に当たるかどうか判断するため、消防隊らが引き続き消火活動と警戒巡視を行う。

記者会見で山林火災の鎮圧を宣言する渕上清・岩手県大船渡市長=9日午後、同市