「温泉むすめ」がつないだ奇跡の縁 ファンが「旅館の娘さん」と結婚するまで

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2025年03月12日 12:01  おたくま経済新聞

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「温泉むすめ」がつないだ奇跡の縁 ファンが「旅館の娘さん」と結婚するまで

 Xを徘徊していると、ときどきフィクション顔負けの素敵なエピソードに巡り合うことがあります。


 地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」をきっかけに、とある旅館の娘さんと結婚するにいたったファンの投稿が、Xで大きな話題を呼んでいます。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


■ 「温泉むすめ」をきっかけに訪れた温泉地で運命の出会いを果たしたファン

 「温泉むすめ」とは、日本全国の温泉地や観光地の魅力を国内外に発信するために始まった、地域活性化を主目的とするプロジェクトのこと。


 実在の温泉地をモチーフにした二次元キャラクター(人ではなく神様)たちが、コミックやノベルなどになり、多面的に展開されています。


 そんな「温泉むすめ」のファンの1人である「ともず@萩ちゃん大好きぽか旦那」さん(以下、ともずさん)が先日Xに投稿したのは、婚姻届の画像です。


 ともずさんが画像に添えているのは「ご縁があり、本日、深山荘の娘さんと入籍させて頂きました。帰省(笑)が帰省(ガチ)になりました」のコメントと、「#温泉むすめありがとう」というハッシュタグ。


 コメント中にある「深山荘」とは、福島県の磐梯熱海温泉にある旅館です。なんと、ともずさんは「温泉むすめ」をきっかけに磐梯熱海温泉に通うようになり、ついには現地の旅館の娘さんと入籍することになったというのです。


 ファン同士が意気投合して……というケースとはまた違った趣きとロマン、そして運命を感じるエピソードです。


 ともずさんに連絡を取ってくわしく話をうかがうと、結婚にいたるまでには、筆者の想像の上を行く偶然の連続が待っていました。


■ 最初は「温泉むすめ」というコンテンツを知らず、推し活自体も初めてだった

−− ともずさんはどういうきっかけで「温泉むすめ」を推し始めたのでしょうか?


 2022年の8月に、いとこと伊香保温泉へ旅行をしました。その際に、伊香保の石段街に設置されていた、群馬の温泉むすめ5柱がデザインされたラッピング自販機を見つけました。


 元々アニメや漫画はよく見ていて、二次元コンテンツには興味があったので、試しに調べてみたのがきっかけです。


−− おお、最初は「温泉むすめ」自体もご存じなかったんですね!


 その後、何も知らずに宿泊した「美松館」という伊香保のお宿に、全国の温泉むすめの特注アクリルスタンドが飾られた祭壇があったのです。


 温泉自体にも少し興味もあったので、こんなにもキャラクターがいるなら、聖地巡礼と温泉めぐりを兼ねて回ってみよう!と思ったことがきっかけです。


−− 磐梯熱海温泉を初めて訪れたのはいつごろだったのでしょうか?


 磐梯熱海を初めて訪れたのは、温泉むすめに出会った翌月、2022年9月です。


−− 翌月……!そのフットワークの軽さ、聖地巡礼はよくされていたのですか?


 聖地巡礼という行動、ひいては「推し活」自体が本当に初めてでした。


−− その翌月の旅行は、磐梯熱海温泉が目的地だったのでしょうか?


 最初はある程度展開規模が大きい温泉地を目指して回ろうと思い、栃木県の塩原温泉郷と、福島県の飯坂温泉をメインの目的地として、その道中で回りやすいところということで、栃木県の那須温泉と福島県の磐梯熱海温泉を回る計画を立てました。


−− ということは、計画を立てるまで磐梯熱海温泉の存在自体も知らなかった、と


 正直、これまで福島県には全く行ったことがなかったので、当然、磐梯熱海温泉もこの時まで知りませんでした。


−− 磐梯熱海温泉を好きになったのは、初訪問時でしょうか?


 実は初訪問の時はそこまで好きという感じではなかったです。しかし、深山荘には泊まってみたいなと思い、2回目の磐梯熱海行きを2022年11月に決めました。


 「紅葉館 きらくや」という宿があり、ここには1回目も2回目も訪れたのですが、1回目はグッズを購入させていただくだけで、宿泊や日帰り温泉も利用していないにもかかわらず、2回目の時に訪問したら、宿の方が私のことを覚えていて声をかけてくださいました。


 こんな体験は初めてで、嬉しくなったことが好きの始まりでした。


−− わあ、そんなことされた好きになるしかないじゃないですか……。


 きらくやさんだけでなく、磐梯熱海温泉内の色々なお店の方と交流し、顔馴染みになっていくほど、どんどんその地が好きになっていきました。


 さらに温泉むすめの磐梯熱海萩ちゃんもデザインがとても好きで「推し」になりました。二次元と三次元の相乗効果で、もう沼にどっぷりです笑


−− 沼にも温泉にもどっぷりですね笑 ちなみに磐梯熱海温泉にはどれくらいのペースで通われていたのでしょうか?


 宿泊、日帰りあわせれば、2023年は月1.5回くらいでしょうか、、、笑


 お付き合いを始めてからは、月2〜3回くらいですかね。


−− ちなみにともずさんのお住いは……?


 東京都に住んでいます


−− 東京から月1.5以上通っているとは……どれだけ好きなのかということがものすごく伝わってきます笑


■ 初回の宿泊から20泊以上!結婚相手の方とはどのようにして出会った?

−− ご結婚相手の方は深山荘というお宿の娘さんとのことですが、この宿に最初に泊まったきっかけはなんだったのでしょうか?


 深山荘さんは、磐梯熱海温泉の中で、温泉むすめの展開に一番力を注いでくれている旅館です。最初に泊まりたいと思ったきっかけはそれに尽きますかね。


−− 訪問のたびに毎回泊まられているのですか?


 磐梯熱海開拓のため他のお宿も数か所泊まりましたが、9割は深山荘だと思います笑


−− ご結婚相手の方とは、通っているうちに親しくなったという感じでしょうか?


 おおむねそんな感じですね。旅館の一階が客間で、二階が居住スペースなので、そこに娘さんも住んでいたんです。


 初回の宿泊から今までで20泊以上させていただいているので、そのうちに色々話すようになり、お付き合いすることになりました。


−− 20泊……!


 付き合う前に、今から付き合うなら結婚前提で、と言っていたので、付き合って一年が経つ頃にプロポーズさせてもらいました。


−− 温泉むすめを知ったばかりの過去の自分に声を掛けるとしたら、何と伝えますか?


 元々飽き性なので、「飽きずに推してけ」と笑


* * *


 たまたま訪れた旅行先でたまたま知ったコンテンツをきっかけに、たまたま訪れた温泉地で、運命の相手に巡り合う……。


 磐梯熱海温泉、深山荘さん、ともずさん、全員の温かさが心に染みてくる素敵なエピソードでした。筆者、まったくの赤の他人なのに、なぜか目頭に湯が湧きそうになっています。


 どうかともずさんと妻さんのお2人が末永く、温泉のように涸れることなくこんこんと幸せを湧かせ続けていけるよう、陰ながら応援しております。



<記事化協力>
「ともず@萩ちゃん大好きぽか旦那」さん(@tomozu_onmusu)


(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025031205.html

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  • 豚丼共の嫉妬の鳴き声が響き渡るだろうw
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