ポッカサッポロ「コーン茶」、前年比2倍の伸び 若い女性になぜ売れる?

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2025年03月30日 16:01  ITmedia ビジネスオンライン

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「コーン茶」人気の理由は?(写真はイメージ。提供:ゲッティイメージズ)

 ポッカサッポロフード&ビバレッジ(以下:ポッカサッポロ)が2021年から販売している「北海道コーン茶」が好調だ。希望小売価格は525ミリリットル160円、275ミリリットル135円(いずれも税別)。2024年の販売数量は、前年比194%(函数ベース)を達成しており、同社の茶系飲料の中でも、主に20〜30代女性の支持を集めているという。なぜ売れているのか? ポッカサッポロに背景を聞いた。


【画像】好調の「北海道コーン茶」、どんな商品? 飲料メーカーが力を入れる「無糖茶」も(計7枚)


●「コーヒー」の技術も生かす


 コーン茶とは、トウモロコシを焙煎して煮出した飲料のこと。もともとは韓国で古くから親しまれている、“甘香ばしい味わい”が特徴のお茶だ。


 同社が初めてコーン茶を発売したのは、2012年のこと。旧ポッカコーポレーションが「やすらぎ気分のコーン茶」という名前で、第2次韓流ブームを受けて企画した商品だった。


 ポッカサッポロといえば、缶コーヒーやスープなどを主力とする食品メーカー。コーン茶を企画するに当たっては、既存商品の技術も生かしたという。同社の高井朋子氏(マーケティング本部 ブランドマネジメント部 マネージャー)は「コーンスープの商品開発で培ってきた『コーンのおいしさ』へのこだわりや、コーヒーの焙煎技術を生かして開発しました」と説明する。


 原料のコーンを全て北海道産とした「北海道コーン茶」を発売したのは2021年3月のこと。国産素材にこだわった飲料シリーズ「TOCHIとCRAFT」のラインアップに加えた。健康志向の高まりから人気が拡大していた「無糖茶」のカテゴリーを、同シリーズの中で強化する狙いがあった。


●飲用シーンが拡大


 2024年には首都圏を中心にTVCMを放映したこともあり、北海道コーン茶の販売数量は前年比194%を達成。コーン茶市場全体の伸び(前年比119%、インテージSRIの調査による)も上回る勢いで、同社は「カテゴリーをけん引できている」と見ている。


 主な購買層は20〜30代の女性だ。「お茶自体が『緑茶中心』から多様化していて、ノンカフェインのお茶が少しずつ伸びてきている背景があります。コーン茶は『甘香ばしい』という味わいに新しさがあり、『ほっこりできる』『リラックスできる』という理由でハマってくださる方が、若年女性を中心に多くいらっしゃったのだと思います」(高井氏)


 2024年3月には、275ミリリットルの小型ペットボトルもラインアップに追加。小型ボトルは加温してホットドリンクとしても販売できることから、秋冬の伸びにつながったという。


 業務用の1リットルパックについても販促を強化しており、当初のメインだった韓国料理屋や焼肉店のほか、「居酒屋やたこ焼き店など、幅広い業態に広がっています。お店で飲んだことをきっかけに家庭用で買って下さる方が多いことも、伸びている理由だと考えています」と高井氏は話す。


●無糖茶飲料は多様化


 健康志向の高まりから無糖茶の人気は拡大しており、メーカー各社はラインアップの拡充に取り組む。「甘い」商品が長く定番だった紅茶市場でも、2025年3月にはコカ・コーラシステムが「紅茶花伝 無糖 アールグレイアイスティー」を発売。キリンビバレッジも同月、リニューアルした「午後の紅茶 おいしい無糖」シリーズ3商品を発売した(ストレートティー、ミルクティー、レモンティーの3商品)。


 コーン茶と同じくノンカフェインの「ルイボスティー」も台頭している。インテージの調査によると、ルイボスティーの市場規模は、2017年から2023年までの6年間で約14倍に成長。2023年にはサントリーが主力ブランド「GREEN DA・KA・RA」から「やさしいルイボス」を発売するなど、こちらも大手メーカーが力を注ぐカテゴリーだ。


 高井氏は北海道コーン茶について、「現在は首都圏での販売が中心ですが、近畿・中部を第二・第三のエリアとして育成し、さらなる成長を目指していきたい」と意気込む。茶系飲料の多様化が進む中、コーン茶は新たなカテゴリーとしてどこまで浸透するか。



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  • 近所の自販機にコーン茶あります。出かける時だけ買って、出先で飲んでます。口当たりが優しいので気に入ってますね。
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