救助されるヘリの機長ら=6日午後、長崎県対馬沖(第7管区海上保安本部提供) 6日午後2時50分ごろ、長崎県・対馬沖で「患者を乗せ病院に向かっていたヘリが消息不明」と第7管区海上保安本部(北九州市)に通報があった。同本部などによると、対馬東方の海面に浮いているヘリが見つかり、午後7時ごろまでに乗っていた6人全員が救助されたが、うち女性患者(86)が死亡、男性医師ら2人が心肺停止状態という。ヘリは患者らを乗せ、対馬空港から福岡市内の病院に向かっていた。海保などはヘリが何らかの原因で墜落したとみて、詳しく調べている。
海保などによると、ヘリは「エス・ジー・シー佐賀航空」(佐賀市)が運航していた機体で、午後1時半に対馬空港を離陸。同2時15分に福岡市東区の福岡和白病院に到着予定だったが、消息が途絶えた。乗っていた6人はいずれも同病院に搬送されたが、同日夜に女性患者の死亡が確認された。30代の男性医師と付き添いの60代男性は心肺停止状態。男性機長と男性整備士、女性看護師は意識がある。
海保の巡視船が午後5時すぎ、海面に転覆して浮いている機体を発見。しがみついていた機長ら3人を救助したが、低体温症の症状があり、病院に搬送した。その後の捜索で医師ら3人を見つけたという。
福岡和白病院の富永隆治院長は6日夜の記者会見で「今回の事故は悲痛の極み」と話した。