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「ウサギの島」として知られる広島県竹原市忠海町の大久野島でウサギを虐待したとして動物愛護法違反に問われた住所不定の無職、堀田陸被告(25)に対し、広島地裁呉支部は14日、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の有罪判決を言い渡した。
島崎航裁判官は「被告から一方的に暴力を受けるウサギらの姿は痛ましいというほかない」と述べた。
判決によると、堀田被告は1月9日と1月21日、島に生息するウサギの胸や腹を蹴ったり、ウサギの口にはさみの刃を差し込んだりしてウサギを傷つけた。
島崎裁判官は判決で、堀田被告が1カ月弱の間に2回にわたって島を訪ね、犯行に及んでいることを挙げ「常習性が認められる。強固な犯意に基づく計画的な犯行。強い非難に値する」と説明した。
一方で、「自業自得とはいえ、(事件で)勤務先を退職せざるを得なくなるなど、一定の社会的制裁を受けている」として執行猶予を付けた。
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島崎裁判官は判決言い渡し後、堀田被告に「今回のような悪質な行為をしたいという気持ちを持ったら、周りに相談し実際に行動しないように気を付けて生活してもらいたい。3年間、気を引き締めて生活してください」と説諭し、堀田被告はうなずいた。
堀田被告は1月21日に、大久野島でウサギを撮影してきた写真家に取り押さえられ、現行犯逮捕された。
検察側は公判で、堀田被告が2日間で計7匹のウサギを虐待し、捜査段階では「約2カ月間で、約60匹を虐待した」と供述していたと明らかにした。
その上で、常習的犯行だと指摘し、「刑事責任は重大で、猛省を促す必要がある」として懲役1年を求刑していた。
堀田被告は捜査段階から「いじめたらどんなリアクションをするのか気になった」と供述し、事実関係を認めていたという。
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一方の弁護側は、堀田被告が事実関係を認めて反省しているとし、執行猶予付きの判決を求めていた。
環境省中国四国地方環境事務所によると、周囲約4キロの大久野島には半野生化したウサギ500匹以上が生息している。
昨年11月下旬以降、少なくとも99匹のウサギが不自然な状態で死んでいるのが見つかった。【井村陸】
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