『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は長野県が主な舞台に(左から)長野県PRキャラクターのアルクマ、江戸川コナン、長野県警察シンボルマスコットのライポくん、ライピィちゃん(C)ORICON NewS inc. 劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が、あす18日に全国公開される。今作の主な舞台となる長野県では映画公開に先駆けた関連イベントが行われるなど、早くも“コナン効果”への期待が高まっている。
【画像】長野県・聖地巡礼密着取材写真 1994年に連載が始まった人気推理漫画を原作とするアニメ『名探偵コナン』。1996年1月にテレビ放送が開始され、来年には放送30周年を迎える。劇場版も今作で28作目。長野県警の3人の刑事――大和敢助、諸伏高明、上原由衣がメインキャラクターとして登場するほか、舞台のひとつとして国立天文台野辺山宇宙電波観測所(長野県南佐久郡南牧村)も描かれる。
公開を目前に控えた今月8日には、ゲスト声優を務める俳優の山田孝之と山下美月が長野県を訪れ、県庁でのトークイベントや観測所の見学など“聖地巡礼イベント”が行われた。
劇場版コナンが物語の舞台となった地域でイベントを行うのは、シリーズ最高となる興行収入158億円を記録した、昨年の第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の舞台・北海道函館に続き2例目。函館では、登場した観光地に多くのファンが訪れ、“コナン効果”による地域経済への貢献が話題となった。今作の舞台となる長野も、その再来に期待を寄せている。
イベントに登壇した長野県の阿部守一知事は、「宝くじに当たったような気持ち。台湾で『次の劇場版コナンの舞台が長野です』と話しただけで、大きな反響があった。今後はコナンくんの力を借りて、長野県の観光や物産をPRしていきたい」と期待を込めた。
長野県警の鈴木達也本部長は、「映画では、長野県警の優秀な捜査員たちが活躍していますが、実際の県警にもプロフェッショナルな警察官・職員が多数在籍しています。警察の仕事は決して楽ではありませんが、やりがいのある職業です。『コナン効果』を活かし、全国から多くの優秀な人材が長野県警に関心を持ってくれることを願っています」と、若手警察官の採用活動への波及効果にも期待を寄せた。
野辺山の観測所を管理する国立天文台では、早くも対応に追われていた。昨年12月に原作者・青山剛昌氏が描き下ろしたティザービジュアルにパラボラアンテナが描かれて以降、来訪者数が増加。例年の2倍、春休みの週末には一時的に5倍近くに膨れ上がった。
西村淳所長は「予告編を見ただけでも、本当に忠実に再現されています。駐車場の白線まで一緒なんですよ」と本編を楽しみにしつつ、「研究が目的の施設のため、観光対応の予算は限られているが、地元の方々がバスや警備員の手配などを全面的にサポートしてくれると申し出てくれて、本当にありがたいです。地域ぐるみでファンを迎える体制を整えています」とアピール。「私たちは税金で運営される国立機関として説明責任がありますが、これまで細々と行ってきた広報活動が、今回の映画で一気に広がっていることに感謝しています。長年やってきた広報が“なんだったんだ”というくらい、ものすごい反響で、本当に感激しています」と感謝を述べた。
ちなみに、作中に登場する45メートルの電波望遠鏡は、建設当時の価格で総工費約50億円。「40年前の価格なので、現在なら資材高騰もあり、おそらく2〜3倍はかかるかもしれません」と話していた。