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広島県府中町にある水分(みくまり)峡森林公園で東京都練馬区の会社員、里見誠さん(52)が殺害された事件は19日に発生1週間を迎える。県警は80人態勢で捜査を続けているが、犯人の特定には至っていない。現場では、住民の不安の声が聞かれた。【井村陸】
事件は12日午後10時半ごろ、公園管理事務所近くで血を流して倒れている里見さんを警察官が発見、搬送先の病院で死亡が確認された。同午後10時ごろには「助けて」という声を公園利用者が聞いていた。司法解剖の結果、死因は外傷性ショックで、頭や顔に硬いもので殴られたような痕が複数あった。
現場はJR広島駅から北東約4キロ。公園内にはキャンプ場や展望台などがある。地元住民によると、普段はキャンプやウオーキングなどに訪れる地元住民や、町外から訪れる家族連れなどが見られるという。
事件を受け、公園は13日から2日間臨時閉園した。15日から営業再開したものの、17日に訪ねた園内は閑散としていた。犬の散歩で毎日公園を訪れる寺尾功さん(84)は「いつもにぎわっている公園が事件後は十分の一くらいに人が減ってしまった。怖いので早く犯人が捕まってほしい」と話していた。
捜査関係者によると、現場に残された遺留品などから里見さんは事件当日に東京から広島に来たとみられる。現場付近の防犯カメラには、里見さんと一緒に複数の男女の姿が映っているのが確認されている。
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現場には身元の特定につながるものが残されておらず、県警は事件発生5日後、DNA鑑定などから里見さんと確認したと発表した。
県警は里見さんが広島を訪れた経緯を調べるとともに、複数人の男女が事件に関与したとみて行方を追っている。
公園管理事務所の担当者によると、通常午後5時以降は駐車場を鎖で閉鎖し、夜間帯は宿泊に訪れるキャンプ客以外はほとんど人が来ることがない。里見さんが倒れていた事務所付近には街灯はなく、夜間帯は真っ暗だという。
捜査関係者は、地元をよく知る人物が犯行メンバーにいる可能性もあるとみている。
現場付近は、防犯カメラがほとんど見つからなかった。公園を管理する府中町は15日の公園再開後、キャンプでの宿泊を含めた夜間利用を当面禁止し、防犯カメラの設置を増やすことを検討している。
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