記者会見する「ミュゼプラチナム」の元従業員ら=16日午後、東京都千代田区 女性向け脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の元従業員らは16日、運営会社MPH(東京)の破産を東京地裁に申し立てた。今後、東京地裁が破産手続きを開始するか判断する。業績不振が続く同社では、従業員への給与未払いなどが常態化していた。
調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は約300億円、債権者は施術代金を前払いした顧客や従業員ら計約21万人が見込まれる。破産申し立て後、記者会見したミュゼの元従業員の女性は、「全国の2000人以上の従業員が(給与の未払いで)今も窮地に立たされている。絶対に放置してはいけない問題だ」と涙ながらに訴えた。
同社は、資金繰りの悪化に伴い、昨年11月以降、従業員への給与の支払いが遅延。経営権を巡るトラブルも発生し、今年2月からは給与未払いが続いていた。
また3月下旬以降、全店舗を一斉休業。高橋英樹社長が従業員向けにオンラインで説明会を開催し、従業員の自主的な退職を促していた。
会社側は「破産申し立てが事実であれば、真摯(しんし)に受け止めて、引き続き事業再生に向けてまい進する。未払いの給与の支払いは、計画を立てて準備している」とコメントした。