事件のあった法政大多摩キャンパス=1月10日、東京都町田市(AFP時事) 法政大多摩キャンパス(東京都町田市)で授業中に学生8人をハンマーで襲い、けがをさせたとして、傷害罪に問われた韓国籍のユ・ジュヒョン被告(23)の判決が27日、東京地裁立川支部であった。中島経太裁判長はユ被告に懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
中島裁判長は、大学内でいじめを受けたとするユ被告の主張について、「いじめが全くなかったとは言えない」としつつ、「被害に遭った8人が悪口を言うなどした事実はなかった」と判断。講義中に無防備な状態で襲われた精神的打撃は大きく、「結果は軽視できない」と述べた。
一方、捜査段階の精神鑑定で強迫性障害などと診断されたことから、「悪口を言われたという思いにとらわれるなど、精神障害が意思決定にかなりの程度影響を及ぼしていた」と認定。ユ被告が反省し、被害者と示談していることなどから執行猶予を付けた。
中島裁判長は言い渡し後、「多くの被害者に影響を与えたことを忘れないでください。日本の大学で頑張ってきたことは無駄にならず、今後生きていくと思う。希望を捨てずに頑張ってもらいたい」と説諭した。
判決によると、ユ被告は大学内で複数の学生から悪口を言われていじめを受けていると思うようになり、1月10日、当時19〜22歳の男女8人の頭や腕などをハンマーで次々と殴り、1〜2週間のけがをさせた。