
ネットサービスを利用する際、消費者が不利な判断をするよう誘導する「ダークパターン」というウェブデザインをご存じでしょうか?一体、どんな手法なのでしょうか。
【写真で見る】No.1商品かと思いきや「イメージ調査」との“ただし書き”が… 恐るべきダークパターンの事例
消費者を急かすデザイン…購買意欲を過剰に誘導山形純菜キャスター:
「ダークパターン」とは、ネットで買い物などをする際、ウェブデザインによって消費者が不利な判断や意思決定をするよう誘導するものです。
たとえば、消費者の口コミのような画像。女性が商品を持っており「白い肌をキープしたいから使い続けています。私の必需品です♪」と書かれています。
しかし、その下には小さく「※画像はイメージです」という但し書きがあり、画像の女性が実際に商品を評価しているわけではないようです。こういったものも、ダークパターンの手法の一つだといいます。
河西邦剛弁護士いわく「ダークパターンを包括的に規制する法律はない。特定商取引法や景品表示法に個別に該当する場合もあるが、見極めるのが難しい」とのことでした。
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そもそも、問題視されるべきものと、そうでないものの区別が難しいとのことなので、どんな手法があるのか見ていきましょう。
まずは、タイムセールです。「残り1点」と在庫数が書かれていたり、セール終了までの残り時間(カウントダウン)が表示されていたりすると、「早く買わないと」と焦ってしまいますよね。
こういった急かすデザインによって、消費者が不利な判断をするよう誘導しているということです。ほかには「今このサイトを○人が閲覧しています」といった表示も、ダークパターンの手法だと考えられます。
また、「期間限定」と謳っていても、具体的な期間が示されていないケースもあるということです。これも、購買意欲を過剰に誘導する手法だといいます。
井上貴博キャスター:
旅行サイトなどでも「○人が今予約を保留中」なんて書かれると、「わっ」と思ってしまいます。
岸谷蘭丸さん:
「やばい、予約を早く取らなきゃ」と思いますよね。
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出水麻衣キャスター:
ネットだとお店と違って在庫が見えないので、騙されてしまいます。
岸谷蘭丸さん:
ダークパターンは、デジタルというのがポイントではないでしょうか。
物理的な店舗がずっと閉店セールをやっていたり、唐揚げ店が全部ナンバーワンを獲っていたりするのは見慣れていますが、デジタルだと見慣れていないというか、焦ってしまいます。
山形キャスター:
ほかには、“ひっかけ型”のダークパターンもあるそうです。
たとえば、チェックボックスの文章が“普通と逆”になっている場合です。「キャンペーンのお知らせを希望しません」だと、希望しない場合にチェックをしなければいけません。普通は希望時にチェックをすることが多いため、“いつもと逆”ということで消費者が勘違いしやすくなっています。
あとは、あらかじめ“選択済み”になっている場合もあります。事業者に都合のいい選択肢が選ばれており、たとえば自分は1個だけほしかったのに、知らぬ間に定期購入になっているパターンもあるということです。
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井上キャスター:
「キャンペーンのお知らせを希望しません」というチェックボックスはよくありますよね。お知らせが来るようになって、もう一回サイトに行ってお知らせが来ない設定にしようとしても、文章を読んでいると自分がお知らせを拒否しているのか、賛同しているのかわからなくなって…。
出水キャスター:
騙されますよね。定期購入してしまったものや、安いからといって飛びついてしまったものを解除しようと思っても、どこから解除していいかわからないこともあります。
山形キャスター:
解約の方法がまた難しいという問題がありますよね。
では、どのように私たちは気をつければいいのか、ダークパターン対策協会に聞きました。
まずは、購入前に利用規約などをスクリーンショットしておいてください。何かトラブルが起きたときに備えて、契約内容を保存しておくことが大切です。
あとは、解約方法などを事前に確認しておく。
そして、泣き寝入りせずに消費生活センターに相談するようにしてください。
また、ダークパターン対策協会によると、特にスマートフォンは注意が必要だということです。
スマートフォンのように縦スクロールの画面を見続けると、人間は“集中状態”になってしまい、冷静な思考が働きにくくなる恐れもあるということです。何かの購入前や予約前には、一呼吸が大切になってきます。
岸谷蘭丸さん:
僕はパソコンで買い物をすることがほとんどで、それで一呼吸を置ける気がします。画面が大きいので、一旦ぱーっと全部見ようとするときに、スマートフォンより見やすいです。
山形キャスター:
スマートフォンだと、下のほうまでスクロールするのが面倒くさいですよね。
岸谷蘭丸さん:
それで「わかった、わかった」と全部スクロールして、とりあえず一番下のボタンだけ押すという感じになってしまいます。でもパソコンは一回で全体を見られるので、買い物をするときに好きですね。
井上キャスター:
一呼吸を置くためにも大きい画面で見てみる、と。
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<プロフィール>
岸谷蘭丸さん
イタリア ボッコーニ大学在学 24歳
岸谷五朗と岸谷香の長男
海外大受験塾「MMBH」設立
教育・多様性などを発信