爆笑間違いなし? 「漫才カラオケ」、名古屋大が開発 プロのネタなどを追体験できるシステム

4

2025年09月19日 08:11  ITmedia NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia NEWS

写真

 名古屋大学大学院 佐藤・小川研究室に所属する研究者らが発表した論文「漫才カラオケ:未経験者でも漫才を演じることを可能にする漫才実演支援システム」は、プロの漫才師が創作したネタのせりふや演じ方を画面上にカラオケのように表示し、聴衆を笑わせる漫才の実演を支援するシステムを提案した研究報告だ。


【その他の画像】


 漫才は日本の演芸として親しまれているが、実際に演じることは極めて困難だ。せりふの暗記はもちろん、掛け合いのタイミング、抑揚の付け方、適切な間の取り方など、聴衆を笑わせるためには高度な表現技術が求められる。


 研究チームが開発した「漫才カラオケ」は、ツッコミ役とボケ役に分けて提示する画面インタフェース上に既存の漫才ネタのせりふを楽譜のように右から左へ流すシステムだ。タイミングバーに到達した時点で発話や動作を行う仕組みを採用している。


 システムはせりふだけでなく、文字の縦位置による5段階の音程で抑揚表示、喜怒哀楽に対応したフォントやエフェクトによる感情表現、動作カードやアバター動画による身体動作の指示など、漫才の非言語的要素も視覚的に提示する。これにより、ユーザーは事前にネタを暗記することなく、漫才を演じることができ、プロの漫才師が創作したネタを使うことができれば、質の高い漫才も演じることもできるかもしれない。


 実際に漫才未経験者10人が2人1組で、お笑いコンビ・ミルクボーイのネタ「コーンフレーク」、ナイツの「ドラゴンボール」、オードリーの「怖い話」のネタを実演した。7段階評価で「漫才を演じる楽しさ」「観客を笑わせる楽しさ」が中央値6.0、聴衆側も「面白い」が6.0と高評価だった。


 ある参加者は「聴衆を笑わせることが気持ちよかった。自分が作成したネタではなかったが、自分が面白い人間であるかのような錯覚を覚えた」とコメントしている。


 なお、プロの漫才師など第三者が創作したネタをシステムに用いる際には、著作者の権利を侵害しない範囲(論文中の実験は学術目的に限定して研究室内で非公開で実施) で使用するか、適切な権利処理を行う必要があると著者らは述べている。


 Source and Image Credits: 小松 駿太, 窪田 智徳, 佐藤 理史, 小川 浩平. 漫才カラオケ:未経験者でも漫才を演じることを可能にする漫才実演支援システム. 情報処理学会 「エンタテインメントコンピューティングシンポジウム(EC2025)」2025年 8月


 ※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2



このニュースに関するつぶやき

  • 究極の内輪ウケアイテムやねwww ただ少なくともネタで笑ってるんじゃないと思うよ・・・。
    • イイネ!1
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(3件)

ランキングIT・インターネット

前日のランキングへ

ニュース設定