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警察官を装ってうその電話をかける特殊詐欺に関与したとして、警視庁滝野川署は25日、中国籍で住居・職業不詳の呉衍曦容疑者(38)を詐欺と窃盗容疑で逮捕したと発表した。詐欺の「受け子」からの相談で発覚し、グループが拠点にするビルから現金1億6300万円を押収した。詐欺の被害金とみられる多額の現金が見つかるのは珍しい。
逮捕容疑は仲間と共謀して8月4〜12日、兵庫県警を装って群馬県の70代男性に「あなたの個人情報が盗まれた」とうその電話をかけて通帳とキャッシュカードをだまし取り、口座から現金500万円を引き出したとしている。「知らない」と容疑を否認しているという。
警視庁によると、9月に滝野川署を訪れた中国籍の女性から「中国の公安警察をかたる人物から『あなたの口座が不正に利用されて逮捕状が出た。財産を確認するので金を振り込め』と言われた」と相談があった。女性は指示に従い現金を振り込んで2500万円をだまし取られたが、一方で「君も協力しないとだめだ」などと言われ、受け子をしていたという。
「犯罪に加担したかもしれない」と悔やんでいた女性は泣きながら事件への関与を自供し、詐欺容疑で逮捕された。女性の供述に基づいて、だまし取った金の届け先だった東京・池袋の雑居ビルに捜査員が向かったところ、中にいたのが呉容疑者だった。室内のリュックサックからは現金1億6300万円が見つかり、防犯カメラには女性から現金を受け取る呉容疑者が映っていたという。
警視庁は、他に指示役や電話のかけ子役もいるとみて、グループの実態解明を進める。【長屋美乃里】
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