 住友不動産グループのイベントで提供された「カルローズ米」=24日、東京都江東区
住友不動産グループのイベントで提供された「カルローズ米」=24日、東京都江東区 国産米の価格高騰が続く中、民間によるコメ輸入が急増している。財務省が30日公表した貿易統計によると、2025年度上半期の輸入量は8万6523トンで、前年同期(415トン)の208倍となった。最大は米国産の7万714トンで、前年(59トン)の1000倍超に達した。
        
    
         政府が無関税で輸入する最大77万トンのミニマムアクセス(最低輸入量)枠以外で民間がコメを輸入する場合、1キロ当たり341円の関税が課される。それでも外国産米の方が割安となっており、今後も民間輸入は活発化しそうだ。
        
    
         統計によると、コメの民間輸入は年間でも23年度が730トン、24年度が3011トンだったが、今年度に入り一気に拡大。25年度上半期の国・地域別輸入量は、米国が全体の8割を占め、台湾(6068トン)、ベトナム(3495トン)が続いた。前年同期には実績が見られなかった韓国やミャンマーなどからの輸入もあった。
        
    
         国内産米の高止まりは続いており、特に25年産の新米は農協(JA)が生産者に前払いする概算金引き上げで高騰する。農林水産省が公表しているスーパー約1000店舗の平均価格は、9月以降5キロ当たり4000円台で推移している。
        
    
         住友不動産グループは24日、東京都内で米カリフォルニア州産カルローズ米の試食イベントを開催。普及活動を行うUSAライス連合会日本代表事務所の小島由美ディレクターは「もっといろいろな人に楽しんでもらいたい」と強調、業務用だけでなく家庭用としても広がることに期待感を示した。