仙台育英、高校サッカー選手権の出場辞退を発表…「いじめ重大事態」と認知

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2025年11月12日 14:36  サッカーキング

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選手権の出場を辞退した仙台育英(写真は2024年7月のもの) [写真]=柳澤健太
 仙台育英学園高等学校は12日、体育会サッカー部「いじめ重大事態」について声明を発表し、第104回全国高校サッカー選手権大会の出場を辞退することを明らかにした。

 仙台育英は今月2日に行われた第104回全国高校サッカー選手権大会宮城県予選の決勝戦で聖和学園と対戦し、2−1で勝利して2大会ぶりの全国大会出場を決めていた。

 しかし、2024年5月までに体育会サッカー部内でいじめがあったことが一部で報道され、被害を受けた当該生徒は2024年5月以降、体育会サッカー部の部員ではあったものの、いじめが原因となって部活動に参加することができない状況であることが明らかになっていた。

 被害に遭った生徒から情報提供も受け、仙台育英は2025年10月11日に当該生徒に2024年5月までの事案に対する多大な心理的苦痛がみられたことから、「いじめの重大事態」として認知し、10月14日より関係機関と再度連携を開始。また、10月29日には当該生徒から2024年5月の情報に関わる詳細情報と詳細調査の了承が得られたことから、体育会サッカー部の3年次の生徒延べ53名と当時関係した顧問団に対して、同学園のいじめ防止対策推進委員会が詳細な聞き取り調査を実施していた。

 この調査によって、必ずしも一部の生徒だけに限られたいじめ事案ではなく、サッカー部全体、顧問団ならびに生徒の人権意識が不十分なために、「構造的いじめ」を生じさせ、これを見逃してしまう体制であったことが明らかになった模様で、仙台育英は「このような『構造的いじめ』を防止できず、被害に遭った生徒および保護者に多大な心理的苦痛をもたらしたことに深くお詫び申し上げます」と謝罪しつつ、「今後もこの償いに誠心誠意尽くして参る所存です」と報告している。

 一方、このような状況で高校サッカー選手権大会宮城県予選の決勝を戦った経緯については、いじめ事案の理解に至るまでの調査が同試合前に完了せず、生徒の特定といった新たな人権侵害を生まないために、被害に遭った生徒・保護者に事情を説明した上で全部員での決勝戦出場と観戦を認めていたことを説明した。

 しかしながら、調査によって確認できた内容を踏まえ、人権意識の適切かつ十分な理解が顧問団ならびに生徒になければ、今後も同様の事案発生が起こり得ると判断したことで、仙台育英は2025年12月末まで顧問団への人権意識の適切な理解を深める研修と、その顧問団が生徒一人ひとりと丁寧な二者面談を通じて人権意識を指導する時間を設けるために、12月末まで体育会サッカー部の対外活動停止(12月28日から開催される第104回全国高校サッカー選手権大会を含む12月末までの各大会への出場辞退および対外練習試合の中止)を行うことを決断。これに伴い、これまで体育会サッカー部は活動を停止していたが、今後はこの二者面談と併せて学内に限った練習を開始するという。

 なお、学校法人仙台育英学園が設置する仙台育英学園高等学校、秀光中学校、仙台育英学園沖縄高等学校の全部活動の生徒延べ2000名以上に対して11月7日に調査を実施し、体育会サッカー部の生徒からの回答には本事案を認識の上、「構造的いじめ」が存在していることを指摘し、強く反省している者もいることが明らかになっている。

 これらの報告を受け、仙台育英は「教育機関としての責任を深く自覚し、被害に遭った生徒および保護者に深くお詫び申し上げるとともに、当該生徒が安心・安全な学校生活を送ることができるよう、引き続き取り組んで参ります。当該生徒がかつて好きであったサッカーという競技を再び楽しめる日が来るよう努めて参ります。また、人権侵害を防止する観点のもとで生徒一人ひとりの尊厳を守り、安全で健全な学園生活を確保することを最優先課題とし、信頼回復に全力を尽くして参ります」と伝えている。

このニュースに関するつぶやき

  • 同じスポーツで汗を流しながらいじめやる奴って、スポーツマンシップってのが欠如してる・人間の器が小さい・プライドだけはいっちょ前、みたいな感じなのかな?ハイキューみたいに皆そのスポーツを愛せよ。
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