
ぐっと冷え込みが強くなるこの時期、「転ぶ人」が増えるのをご存知でしょうか。去年、転倒や転落によって亡くなった人は、交通事故で亡くなった人の3倍以上。転びやすいのは、意外な場所でした。
【写真で見る】屋内で転倒し… レントゲン写真や14針縫ったけが
■なぜ?寒くなると「転ぶ人」増加
街の人(60代)
「かっこ悪いんですけど、コンビニの入り口で転んだことがあって。でも、かっこ悪いから誰にも言わなかった」
街の人(40代)
「(服から)手が出なくなっている…。いっぱい(服を)着すぎて、転んでけがしたという人も(いた)」
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街の人(30代)
「この間も転びました。その時は急いでたんですけど、走っていて階段で普通に転んだ」
「転んじゃった人」けっこういました。
東京消防庁によると、転倒によるけがで救急搬送される人は、毎月7000人以上(2024年)。
寒くなり始める10月以降から増え始め、12月には1万人近くにまで増加するといいます。なぜ、寒くなると転びやすくなるのでしょうか。
ベースボール&スポーツクリニック 馬見塚尚孝 理事長
「寒いということは、筋肉とか神経の機能が落ちてしまう。(寒くなって)筋肉の温度が下がると、筋肉の出力落ちたりすることがわかっている」
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寒くなると、筋力や神経の伝導速度が低下するんだそう。そのため、転びやすくなるといいます。
■「イケるかなと思った段差で…」転倒事故の5割超は家の中
みなさん、どんな場所で?
街の人(50代)
「敷居の角で足の小指をぶつけて捻挫したことがありました。このくらいの段差イケるかなと思ったところが、思ったより足が上がってなかったのでつまづいた」
ーー屋外で転ぶか、屋内で転ぶか?
妻「あなたは家だね」
夫「そうだね、家の中だね」
妻「段差だね」
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街の人(70代)
「絨毯とカーペットの隙間に足の先が入って倒れた」
屋内で転んで骨折し、14針縫うけがをした人もいました。
実は、転倒事故の5割以上が家の中。カーペットの端につまづいたり、新聞紙やチラシを踏んで足を滑らせたり、電源コードに引っかかったり。ちょっとしたものが転倒の原因になるのです。
全国で2024年、転倒・転落などで亡くなった人は1万1935人。これは交通事故の死亡者数のなんと3倍以上です。
みなさん、足元にはくれぐれもご注意ください。
■“転倒労災”右肩上がり 労働者に中高年女性が増加が要因か
井上貴博キャスター:
日常生活だけではなく、労災についても一番多い原因が転倒です。
厚生労働省によると、2015年は年間2万5949人が転倒による労災となっています。
さらに、その数が増えてきているということで、2024年は3万6378人を超えています。
復帰するまでに50日ほどかかるそうで、このデータには驚きました。
出水麻衣キャスター:
転んでしまった人にとっても、職場にとっても避けたい事態ですね。
井上貴博キャスター:
厚生労働省によると、▼年齢が高い労働者、特に中高年齢の女性労働者が増加していることが、転倒による労災が増えている要因にあるのではないかということです。
2023年、45歳以上の“転倒労災”は、▼男性 1万674人、▼女性 1万8963人だといいます。
中高年齢の女性比率が多い業種である、小売業・社会福祉施設での転倒が多発しているということです。

