東京・赤坂の女性刺傷事件で逮捕され、警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者=22日未明、東京都港区 東京都港区赤坂の雑居ビル地下1階で40代女性が刺され重傷を負った事件で、警視庁捜査1課は22日、殺人未遂容疑で、陸上自衛官大津陽一郎容疑者(43)=練馬区土支田=を逮捕した。「私はやっていません」と容疑を否認している。
同容疑者は逮捕前の任意の取り調べで「女性とは知り合いだがトラブルはない」と話しており、同課が詳しい動機を調べている。
逮捕容疑は16日午前10時半ごろ、同ビル地下1階で女性の左脇腹や左手を刺すなどし、重傷を負わせた疑い。
女性は地下1階のライブハウスでの公演に出るためにビルを訪れ、店の前で解錠を待っていたところを襲われた。
同課や陸自によると、同容疑者は朝霞駐屯地(練馬区)所属の2等陸曹で、事件当日について「仕事は休みだったが、朝から昼ごろまで職場におり、その後帰宅した」と供述しているという。
防犯カメラを調べたところ、同容疑者は当日午前6時半ごろに駐屯地を出発。自転車で約20キロ離れた現場に向かい、正午すぎに駐屯地に戻ったことが確認された。同容疑者の自宅からは自転車が押収された。
現場周辺の防犯カメラにも、同日午前8時ごろから周辺を徘徊(はいかい)し、現場ビルの人の出入りなどをうかがう姿が映っていた。女性が地下に下りた直後に後を追うようにしてビルに入り、約30秒後に逃走したことも判明している。
同容疑者は事件前、持参した靴に履き替えた上で靴カバーや手袋を装着。逃走中には上着や靴を替えるなどしており、同課は周到に準備して事件を起こしたとみている。
同駐屯地第1施設大隊の安保直之隊長の話 被害者の回復を祈るとともに、警察の捜査に全面的に協力し、事実関係に基づき厳正に対処する。

東京・赤坂の女性刺傷事件で、逮捕された男が所属していた陸上自衛隊朝霞駐屯地=21日午後、埼玉県朝霞市