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松山市内の買い取り専門店で5月、客から遺品のモデルガンとして買い取った自動式拳銃のようなものが暴発した事件で、愛媛県警は28日、生前に拳銃4丁と実弾6発を所持したとして、同市の80代男性を銃刀法違反の疑いで容疑者死亡のまま書類送検したと発表した。県警は、客はこの男性の遺族で、専門店へ持ち込む前に県警松山南署に持参して処理方法を相談していたが、対応に当たった署員が鑑定や動作確認をせずに「(拳銃ではなく)モデルガンで問題ない」と判断し、客がそのまま持ち帰っていたことも明らかにした。
送検容疑では、男性は今年5月中旬、自宅で自動式拳銃など計4丁と実弾6発を所持したとしている。
県警によると、暴発事件は5月27日午後5時ごろに店内で発生。従業員が買い取った複数のモデルガンを整理中、自動式拳銃のようなもの1丁が暴発し、銃弾1発が店内の仕切りを貫通した。けが人はなかった。専門店は同21日、客から「遺品整理中に見つかった」という模造刀1本のほか、「モデルガン」として拳銃のようなものやライフル銃のようなもの計15丁を買い取っていた。県警はその後、店に持ち込まれたものを押収して鑑定した結果、一部の拳銃に発射能力があったという。
県警によると、専門店に持ち込んだのは、書類送検された男性の遺族で、事前に拳銃など十数丁を同署へ持参して処理方法などを相談していた。この際、対応に当たった当直中の署員1人が、持ち込まれたものの中に拳銃がないと判断。遺族がそのまま持ち帰り、4日後に専門店へ持ち込んだ。署員は「(持ち込まれたものが)モデルガンで問題ない」と上司に口頭で報告していた。
県警では、拳銃などが持ち込まれた際、本物かどうか判別できない場合は回収して鑑定に回す運用にしているが、署員は独断で判断し、本来は必要な書類の記録も残していなかったという。県警は「今後より一層、職員に対する指導教養を徹底する」とコメントした。【広瀬晃子】
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