国立成育医療研究センターの研究チームは、ピーナツやクルミといったナッツ類を食べた子どものアレルギー症状と摂取量を詳しく分析したところ、この10年間でより少量で発症に至る傾向が見られたとの調査結果を29日までにまとめた。食卓に並ぶ機会が増えたことが要因の一つとみられ、特にクルミでは大幅に低下していた。
福家辰樹医師らの研究チームは、ナッツアレルギーと診断された約1200人のデータを分析。症状が出る分量などを確かめる「食物経口負荷試験」(2013年11月〜23年12月)の結果から、全体の5%が症状を起こすと推定される摂取量を算出した。
その結果、クルミでは全期間で4.37ミリグラムだったのが20年以降では3.26ミリグラムに減少。ピーナツとカシューナッツでは統計的な有意差はなかったものの、わずかに減る傾向が見られたという。
一方、消費者庁の調査では、アレルギー症状で医療機関を受診した症例のうち、ナッツを含む木の実類が11年の約2%から23年には約24%まで大幅に増加。鶏卵に次ぐ2位となった。患者の約7割は6歳以下で、内訳はクルミが最も多かった。
福家医師は「クルミの消費量が大幅に増加し、家庭内で成分に触れる機会が増えたことが影響した可能性がある」と話す。子どもが直接食べない場合でも、家族を介して原因物質が体内に入り、発症につながることがあるという。
食品表示基準では、外食などはアレルギー表示の義務がないため、ナッツ類が入っていても気付きにくいといい「患者さんは慎重に確認してほしい」という福家医師。「子どもは適切な時期に、安全な量を継続的に食べた方が発症予防につながる可能性がある。離乳期から特定の食品を遅らせ過ぎないことも重要だ」としている。