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東京商工リサーチが行った「雇用調整助成金」(以下、雇調金)不正受給公表企業の調査によると、コロナ禍における雇調金などの不正受給件数が、2020年4月から2025年10月までに累計1845件に達したことが分かった。不正受給総額は593億7499万円に上った。
支給決定が取り消された助成金は1件あたり平均3218万円だった。2025年1〜10月の公表は300件で、月平均30件と前年同期(527件、月平均52.7件)からほぼ半減した。
公表された1845件のうち、雇調金のみの受給は1074件で約6割(構成比58.2%)を占めた。パートタイマーなど雇用保険被保険者でない従業員の休業に支給される「緊急雇用安定助成金」のみは242件(同13.1%)、両方の受給は529件(同28.6%)だった。
雇調金などの不正受給が公表された1845件のうち、東京商工リサーチの企業情報データベースで分析可能な1415社(個人企業を含む)について産業別・業種別に集計した。産業別では最多が「サービス業他」の644社(構成比45.5%)で、ほぼ半数を占めた。以降「建設業」が192社(同13.5%)、「製造業」が154社(同10.8%)、「運輸業」が102社(同7.2%)、「小売業」が94社(同6.6%)と続いた。
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より細分化した業種別では「飲食業」が205社(同14.4%)で最も多く、唯一200社を超えた。「建設業」は192社(同13.5%)、人材派遣・業務請負などの「他のサービス業」は135社(同9.5%)、旅行業や美容業などの「生活関連サービス業・娯楽業」は111社(同7.8%)、「運輸業」は102社(同7.2%)と、対面型ビジネスや労働集約型産業に集中した。
不正受給が公表された企業のうち、2025年10月までに倒産が確認された企業数は122件で全体の6.61%にあたり、9月調査時から0.17ポイント上昇した。東京商工リサーチがまとめた「2024年度全国企業倒産」の発生率は0.28%であり、不正受給公表企業の倒産発生率は全国平均の約23倍と高い。
さらに、倒産した122件のうち、不正受給公表日当日または公表後に倒産した企業は81件(構成比66.3%)であった。不正受給の発覚が信用悪化を招き、資金繰り悪化を加速させたとみられる。
東京商工リサーチは「不正受給は重大なコンプライアンス違反であり、不正を主導した代表者や関係者が逮捕されるなど刑事事件に発展したケースも散見される。また助成金の返還や追徴金が科されることで資金繰りが悪化する。不正受給の公表後も返還が進まない企業には厳しい対応が求められる」と指摘している。
本調査は、雇調金または緊急雇用安定助成金を不正に受給したとして、各都道府県の労働局が2025年10月31日までに公表した企業を集計・分析した。
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