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NTTドコモは2025年12月19日、連結子会社である住信SBIネット銀行の商号を変更する方針を明らかにした。新社名は「ドコモSMTBネット銀行」で、変更予定日は2026年8月3日となる。SMTBは三井住友信託銀行の英語表記であるSumitomo Mitsui Trust Bankの頭文字を取った略称だ。銀行業を営む法人は、銀行法第6条により商号に必ず「銀行」を含めることが義務付けられており、商号変更にあたっては内閣総理大臣の認可が必要となる。
今回の発表は、ドコモが10月1日に住信SBIネット銀行を連結子会社化し、金融事業への本格参入を打ち出した流れに続くものだ。同日には新たな銀行ブランドとして「d NEOBANK」が始動しており、サービス面ではすでにドコモ色を前面に押し出した展開が始まっていた。今回の商号変更は、その動きが法人名称にまで及ぶ段階に入ったことを示している。
ドコモSMTBネット銀行は、ドコモと三井住友信託銀行による共同経営体制となる。ドコモSMTBネット銀行という商号には、株主であるドコモと三井住友信託銀行が相互に協力し、住信SBIネット銀行のさらなる成長に貢献していくという意思が込められている。
d NEOBANKは、住信SBIネット銀行がこれまで推進してきたNEOBANK構想を継承しつつ、ドコモの象徴である「d」ブランドを前面に押し出した銀行サービスだ。個人・法人向けに提供してきた預金、決済、ローンなどの基本的なサービス内容は維持しながら、今後はドコモの各種サービスとの連携を強化していく。ロゴやアプリのアイコンも刷新され、10月以降、個人向けサービスを中心に順次導入が進められている。
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ドコモ、三井住友信託銀行、住信SBIネット銀行の3社は2025年12月19日、新たな価値創出に向けた協業施策を順次開始することも発表した。
●ドコモと住信SBIネット銀行の協業施策
銀行口座の利用でお得にドコモのdポイントがたまる
住信SBIネット銀行の口座での給与受取や口座振替といった対象銀行サービスの利用や、ドコモ回線とのセット利用により、dポイントがたまる特典を提供する予定だ。
ドコモサービス×銀行口座で特典を進呈
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dカードの引き落とし口座を住信SBIネット銀行に設定し、街中での買い物時にdカードを利用すると、dポイントの還元率が上がる特典を提供する予定だ。あわせて、住信SBIネット銀行の口座における預金残高に応じたdカード向け特典も検討している。
ドコモサービス利用で、住宅ローン金利を優遇
ドコモの通信サービス利用者を対象に、住信SBIネット銀行が提供する住宅ローンの金利優遇を実施する予定だ。
住信SBIネット銀行とマネックス証券サービスの連携
住信SBIネット銀行の銀行口座と、マネックス証券の証券総合取引口座について、同時口座開設機能によりスムーズな手続きを可能にする。
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また、両社の口座間で資金移動を自動化するスイープ機能の提供も予定しており、住信SBIネット銀行の普通預金口座からマネックス証券の証券総合取引口座へ自動的に資金を移動できるようにする。これにより、利用者は入出金操作を行うことなく、マネックス証券での取引が可能となる。
●三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行の協業施策
「三井住友信託NEOBANK」住宅ローンの取扱を拡大
三井住友信託銀行は、「三井住友信託NEOBANK」において住宅ローンの取扱を拡大する。魅力的な金利と手厚い保障を備えた住宅ローンについて、相談から申し込みまでを三井住友信託銀行がワンストップで対応する。
三井住友信託銀行×住信SBIネット銀行の商品・サービスを一体的に利用可能に
三井住友信託ファンドラップをはじめ、資産運用、不動産、相続など高い専門性を生かした三井住友信託銀行の商品・サービスを、住信SBIネット銀行の利用者向けに順次提供していく。
また、三井住友信託銀行の利用者が日常使いの口座として三井住友信託NEOBANKを一体的に利用できるよう、両行の口座連携を強化していく。
住信SBIネット銀行経由でプライベートアセットへの投資機会を提供
三井住友信託銀行は、流動性は低いものの安定した運用リターンが期待できるプライベートアセットへの投資商品を開発し、住信SBIネット銀行の利用者に提供する。
●ドコモと三井住友信託銀行の協業施策
三井住友信託銀行の商品・サービス利用でためたポイントをdポイントに交換可能に
三井住友信託銀行の資産管理アプリ「スマートライフデザイナー」でポイントをためられる「Smart Life Designerポイントプログラム」を、2026年1月13日に開始する。3月31日以降、同プログラムでためたポイントをdポイントに交換できるようになる予定だ。
あわせて、同プログラム開始を記念し、定期預金の優遇金利やポイント進呈を行うキャンペーンも実施する。金利の適用やポイント進呈には条件がある。
さらに、2026年度をめどに、三井住友信託銀行の「株主パスポート」アプリでも、ためたポイントをdポイントに交換できるよう検討している。
その他新たなサービスの提供
このほか、ドコモと三井住友信託銀行のデジタル技術を活用した資産管理・資産承継サービスに加え、NTTグループのアセットを活用した新たな金融商品の開発や検討を進めていく。
●ネット銀行で出遅れたドコモが業界に与えるインパクト
全国に展開するドコモショップの存在も、金融事業拡大における重要な要素と位置付けられている。これまで店舗数の最適化を進めてきたが、今後は通信と金融を組み合わせた総合サービスの提供拠点として再活用する方針だ。デジタル手続きに不安を抱える利用者に対して、対面で口座開設や利用方法を支援し、利用者層の拡大を図る。
通信と金融の融合は、KDDIのauじぶん銀行やソフトバンクのPayPay銀行など、他社が先行して取り組んできた分野でもある。ドコモにとっては、これまで弱点とされてきた金融分野の中核機能を補完する動きとなる。今後は共同経営パートナーである三井住友信託銀行との連携を深め、競争力のある事業基盤の構築を進めていく構えだ。通信インフラにひも付く顧客基盤と金融機能が結び付くことで、日本の金融サービスの在り方そのものに影響を与える可能性もあり、今後の展開が注目される。
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