2025年11月、旅行用スーツケースを抱えて東京都内の道路を横断する人たち(AFP時事) 観光庁が発表した旅行・観光消費動向調査によると、2025年の日本人の国内延べ旅行者数(速報値)は5億5366万人だった。前年に比べ2.5%の増加だが、伸び率は前年(8.5%)から大幅に鈍化した。物価高に伴う旅行単価の上昇で、節約志向が強まっているとみられる。
日本人の国内旅行者数は、コロナ禍前は6億人前後で推移していたが、緊急事態宣言が発令された20年は3億人弱と半減した。収束とともに22年には55.8%の大幅増加となったが、伸び率は年々縮小。旅行者数はコロナ禍前の水準を依然として回復できていない。
さらに、JTBが今年1月に発表した26年の旅行動向見通しでは、日本人の国内旅行者数は2.2%減と、前年を割り込むと予想。国内旅行に行かない理由で最も多かったのは「家計に余裕がないから」(33.5%)で、「旅行費用が高いから」(29.6%)が続いた。
観光庁の調査では、25年の日本人国内旅行の消費額は6.4%増加し過去最高を更新。旅行単価も過去最高となり、観光庁の村田茂樹長官は記者会見で「物価が全般的に上がっていることも影響している」との見方を示した。インバウンド(訪日客)の好調が続く中、観光産業の持続的発展には、日本人国内旅行者のニーズに合った旅行機会の提供が課題となりそうだ。