
'27年1月24日以降のBS4K放送を終了するとBS―TBSが発表したのは、4月15日のことだった。
「画像の精細さを示す単位の“画素数”でいうと、4Kは約830万画素。現在の地上波テレビは“フルHD”と呼ばれる約207万画素で、約4倍の映像美が売りでした」(家電メーカー関係者、以下同)
日本では'18年から、東京五輪を見据えてBS4K放送が本格化したが─。
「日テレやテレ朝、テレ東、フジも終了の方針で、民放キー局5社すべてが撤退します。今後、4K放送を継続するのはNHKや通販チャンネルになりそうです」
民放の4K放送は、なぜ浸透しなかったのか。デジタル家電に詳しいフリージャーナリストの西田宗千佳さんは、こう分析する。
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放送設備は10年で更新
「いま流通しているテレビの多くは4K対応で、ネットフリックスなどのコンテンツも4Kで配信されており、技術は浸透しています。今回テレビ局が撤退したのは“わざわざ衛星放送の仕組みを導入してまで4Kを見ようとする視聴者がいなかった”ということです」
民放のBS4Kは基本的に無料だが、視聴するには受信設備が必要になる。
「ビジネスモデルの面でも民放BS4Kは苦戦していました。民放の大きな収入源は広告収入ですが、衛星放送は全国一律で流れるため、地域に根ざした広告が打ちにくくスポンサーがつきづらい。
地上波での4K放送も検討されましたが、ネット配信が伸びている現代では、高画質を競うより、災害時に情報を届けるインフラとしての役割が、より重視されるのではないでしょうか」(西田さん)
元テレビマンでテクノロジーライターの小寺信良さんも4Kの敗因をこう見る。
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「今や、どの制作現場でも映像自体は4Kで撮影されており、技術的な土台は整っています。しかし、地上波で流すときはわざわざ画質を落としていますし、民放が4Kのまま届けられるのはBSチャンネルだけ。その肝心のBSで放送されるコンテンツといえば、旅番組や歌謡番組などが中心。
各局とも高画質を生かした誰もが見たくなるようなメジャーコンテンツをそろえきれなかったことも、普及を阻んだ要因でしょう」
撤退は、設備面の問題もあったようだ。
「テレビ局の放送設備は、一般的に10年ほどで更新時期を迎えます。4Kの設備が現場に導入されたのが'16年ごろで、今がちょうどそのタイミング。某テレビ局は4Kの設備投資に15億円ほどかかったとされていますが、その局のBS4K放送は赤字続き。再び同規模の設備投資をして採算が取れるのかを考えたら、今が“降り時”なのだと思います」(小寺さん)
未来を明るく照らすはずだった4Kの看板。その撤退が、業界全体に影を落とさなければいいが─。
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