殴打されて壊れた救急隊員の眼鏡(東京消防庁提供) 救急隊員に対する暴力や暴言などが相次いでいる。東京消防庁の調査で、都内で活動中のこうした妨害行為は昨年1年間で24件に上り、過去5年間で最多だった。今年は5月末時点で既に15件と、昨年を上回るペースで、「法的措置も辞さない」としている。
東京消防庁によると、妨害行為は2021〜24年、年20〜22件で推移。25年は24件で、隊員への身体的危害、救急車などの破損被害が各11件あり、暴言で活動に支障が出たケースは2件だった。
今年5月に起きた事例では、隊員が屋外で倒れていた傷病者に対応した際、突然激高された。「殺すぞ。ナイフで刺すぞ」と脅され、十数回殴る蹴るの暴行を受けて顔などを負傷。制止しようとした別の隊員も暴力を振るわれた。駆け付けた警察官が現行犯逮捕したものの、2人とも病院に搬送された。
この隊は約5時間にわたり出動不能となったほか、現場には消防隊も含め4隊が追加出動した。
過去には、隊員の携帯電話や聴診器が壊されたり、第三者から救急車のボンネットやフロントガラスがたたかれたりするケースもあった。
出動件数は高齢化の進展や熱中症への対応などを背景に増加傾向にあり、25年は93万件を超えた。同庁は公式ホームページやX(旧ツイッター)を通じ「限りある救急隊が迅速に現場に向かうことができるよう、活動への理解と協力をお願いします」と呼び掛けている。

暴行を受けた隊員の血が付着したヘルメット(東京消防庁提供)