限定公開( 4 )

ヘアアクセサリーやキッチン用品など、さまざまな雑貨が300円から手に入る「3COINS」(スリーコインズ)。生活雑貨のイメージが強いが、イヤフォンやモバイルバッテリーをはじめとしたガジェットも販売しているのはご存じだろうか。
実は、このガジェットが売れている。例えば、2023年に発売した「ワイヤレスゲームコントローラー」は約37万点、24年に発売した「クリアゲームコントローラー」は約16万点を販売。25年に発売した「ミニトイカメラ」は41万点以上売れているという。
昨今は100円ショップなどでも扱われているが、ガジェットといえば家電量販店やメーカーの直販店、ECモールなどで購入するのがまだまだ一般的だ。言わばライバルが星の数ほどいる状況だが、こうした中でどのように顧客の心をつかんでいるのか。3COINSを手掛けるパル(大阪市)で、デバイス商品の企画を担当する堀内しおりさんに話を聞いた。
●高価格帯商品の足掛かりだったガジェット商品
|
|
|
|
そもそも3COINSが本格的にガジェットを扱い始めたのは2020年ごろ。もともと有線イヤフォンや充電ケーブルなどを扱っていたが、いわゆる“アーリーアダプター”層での流行を参考に、ワイヤレスイヤフォンなどを扱うようになった。
当時はまだガジェットも300円の商品がほとんどだったが、商品の幅を広げるべく高価格帯商品の取り扱いも検討しており、その足掛かりでもあったという。女性中心だった客層の変化も見込んでおり、家族連れで来店した際に男性が手に取ることも期待していた。
現在ではイヤフォンにととまらず、スマートウォッチやスピーカー、果てはトイカメラやタブレット端末なども提供している。ECサイトでの提供を含め、ガジェットの販売規模は全商品の1割前後まで増えたという。
客層は依然女性が中心なものの、外国人観光客がデザイン性のある商品をお土産として買っていくようになるなど、これまでなかった購買行動も見られるようになった。
●機能控えめでもデザイン性で主要客層に訴求
|
|
|
|
とはいえ、ガジェットといえばやはり実用性や性能が購入の決め手になるイメージが強い。高価格帯の商品も出しているとはいえ、3COINSの製品は一般的なガジェットメーカーよりは安く、性能を上げるにも限度があるはずだ。それでも顧客の心をつかめるのはなぜか。
その答えは、同社が持つ主要客層への商品選定ノウハウにある。
例えば冒頭で紹介したワイヤレスゲームコントローラー。巣ごもり需要に伴うゲームの流行がヒット要因になった商品だ。当時、Nintendo Switch向けゲームがブームになったが、周辺機器、特にコントローラーなどはスタイリッシュだったり無骨だったりと男性向けのデザインのものが多く、女性向けのデザインは少なかった。
そこで主要客層である女性向けにアイボリーやブラウンなどくすみカラーのコントローラーを販売したところ、ヒットにつながった。ガジェット商品を拡大するきっかけとなったワイヤレスイヤフォンも、同様の経緯で提供し、ヒットに至ったという。堀内さんは、一連の商品がヒットした要因を「お客さまの生活スタイルを見て、まだ一部でだけ取り入れられているものをどう(3COINSの)お客様向けに取り入れるか」とみている。
スケルトンやくすみカラーといったデザインへの着目は、シンプルな商品が多い100円ショップとの差別化にもつながっていた。昨今は一部の100円ショップでも類似するデザインの商品が散見されるようになってきたが、堀内さんは「お客さまの生活スタイルに合った、雑貨屋ならではの視点を生かした商品の提供を強みにしていく」と独自性を強めたい意向を示す。
|
|
|
|
その足掛かりになるかもしれないのが、小型家電領域への着目だ。3COINSでは7月3日から、スマートフォンの写真をアプリで印刷するフォトプリンタを1万4300円で販売している。客層の中でも大人世代には懐かしく見える一方、若い世代には新鮮に感じてもらえると判断し、発売に至った。
ただ、現時点ではむやみにさまざまな家電を扱う意向はなく「お客さまの生活スタイルに合ったものを提供していきたい」と堀内さん。SNSでもたびたび話題になる3COINSのガジェット商品だが、今後はさらに広いジャンルにその波が及ぶかもしれない。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。