二輪のプレミアムブランドであるドゥカティ。かつては一部のベテランライダー向けのイメージが強かったが、新たに発売した「スクランブラー」シリーズが好評を博したこともあり、大阪モーターサイクルショーではビギナーからベテランまで、幅広い年齢層がドゥカティのブースを訪れていた。
○気軽に楽しめる「スーパースポーツ」「モンスター」が人気
スポーツモデルの走りやスタイルに多用途性も兼ね備えた「スーパースポーツ」は、10年ぶりに復活したモデル。すでに日本での発売も決定しているが、今回は参考出品となった。113PSを発揮する937ccのL型2気筒エンジンを搭載し、16リットルと大容量のガソリンタンクでツーリングにも対応する。
そのスタイリングは、ことさらドゥカティを意識させるクセはなく、むしろ万人受けするオーソドックスなフルカウルスタイルだ。先鋭化の一途を辿る国内メーカーのデザインとは一線を画し、さすがイタリア車と思わせる。価格も低く抑えられているので、発売されればヒットとなる可能性大だ。
ネイキッドスタイルで根強い人気があるモンスターからは、「モンスター797」が参考出品された。既存モデルより小排気量となり、入門用ともいえるが、そのエンジンは803ccの空冷L型ツイン。マニアックな空冷エンジンと乗りやすさを両立した「これこそモンスター」というべきモデルだ。
「スーパースポーツ」「モンスター」ともに、足つきを確認するなど購入を検討していると思われる人が多く、女性の姿も多く見られた。
○ドゥカティの間口を広げた「スクランブラー」
発売されるや大きな話題を呼んだ「スクランブラー」シリーズ。洗練された従来のドゥカティとは大きく異なる無骨なオフロードスタイルだが、本国はもちろん、日本でもヒットしている。今回のショーでは参考出品2台を含む3台を展示した。翌週開催の東京モーターサイクルショーでは5台に増える予定だ。
参考出品の「スクランブラー デザート スレッド」は、よりオフロードイメージを強調したワイルドなモデルで、19インチのスポークホイールを装着する。実際にオフロードも走れると思われるが、やはりスタイル重視のカスタムベースと考えるのが妥当だろう。
ドゥカティブースのスタッフに聞いたところ、「スクランブラー」は他メーカーからの乗換えが多く、それどころか免許を取得して最初の1台として選ぶ人も多いという。まさにドゥカティの間口を広げることに成功したモデルだ。
「スクランブラー」には日本市場を意識した400ccモデル「Sixty2」もあるが、かつての「モンスター400」とはまったく別物のエンジンとあって、かなりのパーツを新規に製作するなど、コストをかけているという。ドゥカティがいかに日本市場を重視しているか、うかがい知れるモデルといえるだろう。(山津正明)