【矯正するならいつから?費用は】子どもの歯並びが悪くなる原因と3つの予防法

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2017年05月04日 12:03  &Mama

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 出典:https://www.shutterstock.com


最近はお子さんののむし歯だけでなく、歯並びも心配されることが多くなってきたように感じます。


「矯正しているお友達がいますが、うちの子も始めた方がいいですか?」というご相談を受けることが非常に増えました。


今回は、ママ歯科医である筆者が、「子どもの歯並び」についてお伝えします。




悪い歯並びは遺伝だけでなく生活習慣も原因

「歯並びやかみ合わせは遺伝するから仕方ない」という言葉をよく聞きますよね。


歯並びやかみ合わせが悪い原因としてよく言われる“遺伝”。


ですが実際は遺伝的要因だけでなく、それ以外の生活習慣などの後天的な原因も関係していると考えられてきています。


以下に挙げるような習慣がお子さんにないかどうか、チェックしてみてください。



(1)癖


指しゃぶりやおしゃぶり、唇を咬んだり唇を吸う癖、 舌の癖(舌を咬む、舌を出す、舌の位置の不正)、ゴクンと飲み込む嚥下の異常、爪を咬む癖、さらには寝相も関係すると言われています。


(2 )鼻の病気


鼻が慢性的につまっていると、口呼吸につながることがあります。


(3 )歯に関する異常


歯に関するトラブルから歯並びが悪くなることも多いので注意が必要です。



むし歯や怪我で早期に乳歯を抜歯した場合は、生え替わるスペースが失われることがあるため、適切な処置が必要です。


また、裏から永久歯が生えているのにいつまでも乳歯が残っていることがあります。歯の生える時期や方向が異常なこともあります。


加えて永久歯に余分な歯(過剰歯)があったり、歯の数が足りない(乳歯や永久歯の先天性欠如)と歯並びに影響することがあります。


矯正はいつからできる?

歯の矯正に関して「何歳ごろから始めれば良いですか?」という質問を大変多く受けるようになりました。幼稚園や小学校のお友達が装置を付けているのを見て、そろそろなのかなと思われるようです。


まさにこの、「何歳ごろから治療すべきか」という点は矯正歯科の各学会でも議論されているところです。『上顎前突の早期治療についてのガイドライン』が日本矯正歯科学会や日本歯科矯正専門医学会から出されており、他のかみ合わせや歯並びについても検討されていくと思われます。


現状では、歯並びやかみ合わせの不正咬合の程度によって、どの時期に始めるれば良いかは異なります。


受け口の場合、乳歯しか生えていない乳歯列期のうちに治療を開始することもあります。


また、指しゃぶりやおしゃぶり、爪を咬むなどといった癖が大きな原因と思われる場合は、矯正治療とともに癖へのアプローチも必要なことがあります。


最終的に永久歯が生えそろう12歳ごろまで、長期にわたって歯並びやかみ合わせは変化します。


注意点としては、歯並びやかみ合わせは加齢などによっても少しずつ変化するため、小さい頃に行った治療が、将来にわたって永久歯の適切な歯並びやかみ合わせをすべて約束するものではない、という点です。



矯正の費用と種類

歯科矯正治療はほとんどの場合、保険診療ではなく自由診療となり、歯科医院によって費用の設定が様々です。


日本小児歯科学会のホームページによれば、子どもの歯の時期(乳歯列期)は、3万〜20万円、永久歯と乳歯が混ざった時期(混合歯列期)は15万〜60万円、すべて大人の歯の時期(永久歯列期)は50万〜130万円と費用にはかなり幅があります。


乳歯列期や混合歯列期(生え替わりの時期)を「一期治療」、永久歯のみの永久歯列期(12歳ごろ)を「二期治療」と呼ぶことが多いです。どの時期にどのくらい費用がかかるのか、二期に渡る場合は別途費用がどのくらいかかるのか、よく検討してからスタートしましょう。


装置の種類によっても金額が異なる場合が多いです。子どもの頃に使う装置としては、取り外せない固定式、取り外し型(上と下が分かれているものや、上下一体型など様々)があります。またお口の外にわたって使うものもあります。


小さな子どもの場合、夜間ずっと装置をはめていることが難しいことも多いです。装置をはめていないと、歯並びやかみ合わせは変化しません。


矯正歯科で相談するときは、一期だけでなく、二期に渡ってかかるのか、何歳ごろまで診てもらえるのか、よく聞いてみましょう。加えて子どもが続けられるかどうかも重要な点ですので、よく検討しましょう。


家庭でできる歯並び予防

最後に、家庭ですぐにできる歯並び予防法を3つご紹介します。


(1)指しゃぶりやおしゃぶりという癖に気をつける


指しゃぶりは3歳頃までは様子を見る傾向にあります。もし4歳を過ぎても続くようならば、小児歯科で歯並びへの影響をチェックしてもらいましょう。


おしゃぶりは言葉を話し始める1歳ごろから、常時使用するのはやめましょう。その際、癖をきつく注意するのではなく、他の遊びに誘ったり、外で思い切り遊ぶなど気持ちを切り離すといいでしょう。


他にもうつぶせ寝や頬杖、唇を噛む癖や、舌を突き出して飲み込むといった癖がみられたら、歯並びに影響が出ているのかどうか、小児科や小児歯科で相談してみましょう。


(2)口呼吸から鼻呼吸へ


口で常に息をしているだけでなく、ぽかんと口を開けているのもお口の中が乾きやすく、唇の力が歯に適切にかからないため、歯並びに影響があることがあると考えられています。舌の位置は上顎につけておきましょう。


もしお子さんに耳鼻科疾患がある場合は耳鼻科で鼻の通りをよくしてもらいましょう。


(3)乳歯のむし歯や怪我はきちんと治療する


乳歯はあとに生えてくる永久歯の場所をキープするために大切な存在です。むし歯や怪我で乳歯を抜くことになった場合は、小児歯科などできちんとスペースを保つための治療を受けましょう。


歯と歯の間のむし歯も、歯が寄ってしまいスペースが狭くなることがあります。


定期的にむし歯や歯並び・かみ合わせのチェックを受け、必要な治療をしましょう。



いかがでしたか。


「ママやパパの歯並びが悪いから、この子もガタガタなのかな……」と悩まれている方は多いです。でも、指しゃぶりなどの癖や口呼吸なども関係していると考えられているので、おうちでも気をつけられる点はたくさんあります。


矯正治療を行う際も、装置をはめたりとおうちの方のサポートが重要です。始める前には、子ども自身が続けられそうか、費用は適切か、通院しやすいかなど、ご家族でよく検討されてからスタートしましょう。


【参考・画像】


※ 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A – 日本小児歯科学会


※ 矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編 – 日本矯正歯科学会


※ 歯科矯正領域の診療ガイドライン – 日本歯科矯正専門医学会


※ LElik83 / Shutterstock


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【著者略歴】


※ 進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。


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