画像提供:マイナビニュース9月12日(米国時間)に開催されたAppleのスペシャルイベントは、iPhone XとiPhone 8/8 PlusにApple Watch Series 3、Apple TV 4Kの発表の場であったと同時に、新キャンパスであるApple Park内のホール「Steve Jobs Theater」のこけら落としともなる催しでもあった。本稿では、その内部の様子と、近隣に設営された従業員以外でも利用可能な施設「ヴィジター・センター」を紹介しよう。
スペシャルイベントの前日に偵察に行ったところ、至るところにセキュリティが配備されており、中を覗くことはできなかったのだが、ようやくその姿を拝むことができたSteve Jobs Theater。イベント当日、報道陣はNorth Tantau Avenue沿いの受付(Tantau Reception)を通り、Apple Park内で最も高い丘へと徒歩で向かう。程なくSteve Jobs Theaterのエントランスに到着。左手には「宇宙船」と称される環状のキャンパス本館を臨む。植栽の途中なのだろうか、未だ禿山となっている場所もあり、周囲からは肥料の匂いが立ち込めていた。日本からのジャーナリストから誰からともなしに「畑」という言葉が漏れる。
Steve Jobs Theaterは、1,000人収容が可能な施設で、入口の高さが20フィート・直径165フィートのガラス製の円柱がメタリックカーボンファイバー製の屋根を支えている。これを「円柱」と表現して良いものなのか迷うところだが、円を描いたガラスの壁が屋根を支える構造物となっているのだ。よって、一見「壁」、構造としては一本の「柱」ということになろうか。これは実は、サンフランシスコの中心部、ユニオンスクエアに開業したApple Storeと同じ構造となっている。Apple Union Squareでも柱に該当する構造物は見当たらないのだ。
デザインはAppleの最高デザイン責任者であるジョナサン・アイヴが指揮をとっているが、設計を手掛けたのはハイテク建築の旗手、ノーマン・フォスター率いるフォスター・アンド・パートナーズだ。ガラスの壁に構造体を外部に露出させる手法を得意とすることから考えると、Steve Jobs Theaterの仕上がりは、まさに本領発揮といった趣である。
イベントスタートの40分前に地下のホールへ移動。階段を降りると、刻まれた「Steve Jobs Theater」の文字が。そこから先へ進むと、客席がステージが目の前に広がった。客席は革張りで、座りっぱなしでも疲れない。イベント中、Apple Watchが二回も「スタンド」を促してきたが、長時間のイベントでも心地よいって、「ワークアウト」アプリ的にはマズいんじゃないだろうか。