東京メトロ東西線九段下駅に大開口ホームドア、積込みから設置工事まで公開

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2017年09月30日 07:53  マイナビニュース

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●車両基地で積込み作業 - ホームドアに水色のラインも
東京メトロは29日、東西線九段下駅の大開口ホームドア設置工事を公開するメディアツアーを実施した。午前中に車両基地でホームドアを回送列車へ積み込み、終電後に回送列車を九段下駅1番線ホーム(西船橋方面)に据え付け、ホームドアを設置する工事を行った。東西線九段下駅のホームドアは2018年2月下旬の使用開始を予定している。

東西線は優先駅6駅(九段下駅・高田馬場駅・飯田橋駅・早稲田駅・神楽坂駅・竹橋駅)で2019年度まで、その他の駅も2025年度までにホームドアを整備し、これをもって東京メトロ全路線全駅のホームドア設置を完了する計画としている。東西線初のホームドア設置駅となる九段下駅では、昨年3月から2番線ホーム(中野方面)で大開口ホームドア実証実験を実施中。今回は1番線ホーム(西船橋方面)でホームドア設置工事が行われた。

九段下駅での工事に先立ち、午前中に東西線の車両基地のひとつ、行徳車両基地で行われたホームドアの積込み作業が公開された。同基地の16番線に15000系10両編成の回送列車が入線しており、大型クレーンを用いて6号車のドア付近に架台(ステージ)が設置された。その間にホームドアの搬入用トラック(計4台)が車両基地内に入り、1台ずつ架台横に据え付けられ、車内への積込み作業が開始された。

トラックの荷台に積まれたホームドアが大型クレーンで吊り上げられ、架台に移された後、作業員によって車内へ積み込まれていく。1号車から順に各車両へホームドアが運ばれ、揺れなどで倒れないように、ロープを使って手すりに固定された。

東西線九段下駅のホームドアは、2番線ホームに設置された実証実験用の設備(開口部の幅は最少2,000mm〜最大4,000mm。戸袋部の寸法は幅970〜2,000mm、高さ1,350mm、奥行280mm)と同様、ナブテスコ社製の大開口ホーム柵を採用。ドアの幅や位置の異なる車両に対応するため、ドア開口寸法を可能な限り大きくし、ドアを入れ子式の二重引き戸とした点が特徴となる。1開口あたりの重量は500〜680kgとの説明も。東京メトロがナブテスコ社製のホームドアを本格的に採用するのはこれが初だという。

実証実験用の大開口ホーム柵と比べるとデザインも変更されており、東西線の路線カラーであるスカイブルー(水色)のラインが入っている点が特徴。東西線を皮切りに、今後設置される他の路線のホームドアもそれぞれの路線カラーを導入するとのことだった。

●終電後の九段下駅、西船橋方面ホームで設置工事を実施
東西線九段下駅に設置するホームドアを積み込んだ15000系の回送列車は、その日の深夜に九段下駅へ。2番線ホーム(中野方面)を通過して留置線に入り、終電発車後の0時47分、作業員や報道関係者らが待つ1番線ホーム(西船橋方面)へ入線した。

車内に積み込まれたホームドアは10号車から順にロープを解かれ、ホームへ積み下ろされてそれぞれの設置場所に運ばれた。ドア付近には事前にホームドア設置用の穴が開けられており、積み下ろしたホームドアを作業員が次々とボルトで固定していった。戸袋部に列車の接近などを知らせるディスプレイを設置したものも。途中、戸袋部に収納されていたドア部を作業員が引き出す場面もあり、ドア部にも東西線の路線カラーであるスカイブルーのラインが入っていることを確認できた。

15000系の回送列車は深夜3時頃、九段下駅を発車して西船橋方面へ。その後、作業員が軌道上に降り、ホームドアが列車走行に支障ないことを確認する作業が行われた。

○東西線の他に半蔵門線の一部駅でも大開口ホームドア導入へ

工事の後、ホームドア設置計画を担当した東京メトロ鉄道統括部の井上篤史氏が取材に応じた。井上氏は「3社(東京メトロ、JR東日本、東葉高速鉄道)の車両が走る東西線では、全車両のドア位置に合わせられる大開口ホームドアを技術的に確立するハード面の対策と、ドア開閉による停車時間増にどう対応するかというソフト面の対策が必要で、社内でも時間をかけて検討しました。今日、九段下駅のホームドア設置に至り、個人的にも感無量の日となりました」とコメント。東西線では今後も計画通りホームドア設置を進める予定で、「工程の再精査も行いながら、1日も早い設置をめざしたい」と井上氏は話した。

なお、東京メトロによれば、大開口ホームドアは東西線の他に半蔵門線表参道駅(押上方面ホーム)・錦糸町駅(渋谷方面ホーム)でも設置する予定とのこと。ともに他社乗務員から東京メトロ乗務員へ引き継いだ後の1駅目に該当することから、乗務員がよりブレーキ操作しやすいように大開口ホームドアが導入されることになった。

九段下駅1番線ホームの工事を終え、東京メトロ東西線は9月30日早朝の始発列車から通常通り運行されている。2番線ホームも10月8日からホームドアが設置される予定で、2両分設置している実証実験用のホームドアを撤去した後、新たに10両分の大開口ホームドアを設置する。1・2番線ホームともに、ホームドア設置後は警備員を配置予定。運転士・車掌の習熟運転なども行い、来年2月下旬の使用開始に備えるとしている。(上新大介)

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