地下室に10年間監禁 性的暴行の末、2児を出産した29歳女性が救出される(伊)

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2017年11月30日 11:03  Techinsight Japan

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監禁されていたゴミ屋敷の地下室(画像は『La Repubblica.it 2017年11月22日付「Lamezia, ex badante segregata come una schiava per 10 anni: arrestato cinquantenne」』のスクリーンショット)
「女性に対する暴力撤廃の国際デー」であった11月25日、この日は世界各国で様々な集会が行われたほか、フランスではマクロン大統領が国内における対策を発表したことなどが話題となった。だが残念なことに女性に対する暴力や虐待は、インドやアフリカのようにあからさまな性差別がはびこる国や地域だけでなく世界中で発生している。このほどイタリア南部ジッツェリーアでも19歳だった女性を10年間地下室に閉じ込め、性奴隷のように扱っていた52歳の男が逮捕された。

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『La Repubblica.it』『Il Quotidiano del Sud』などイタリアの複数メディアによると、2007年にルーマニアからやって来た当時19歳の女性が男の家族の介護人として雇われた。だが介護を担当していた家族の死後、女性は男から身体的そして性的に暴力を振るわれるようになり、同時に地下室に監禁されることとなった。女性が逃げ出さないように地下室の扉は鎖で固定され、ベッドはダンボール製、水道やトイレはなく代わりにゴミ箱が置かれるなど劣悪な環境の下、彼女は男から日常的に暴力を受け続けた。時に女性は重傷を負うほどであったが、傷口はなんと釣り糸で縫われていたという。

このような異常な生活の中で、女性は男との間に男児(現在9歳)と女児(現在3歳)を出産した。妊娠中や出産の時も医師に診てもらうことなく、地下室での出産を強制されている。

10年間明るみに出ることのなかったこの事件が発覚したきっかけは、警察の交通取締りであった。息子を乗せ運転していた男の車があまりにひどい状態であったために呼び止めた警察官は、2人の態度が妙なものであったことや息子の着ている服がひどく汚れていたことで事件性があると判断し、彼らの自宅を訪問したことで地下室にいた女性が発見された。

地下室だけでなく、男が暮らす家そのものもひどい状況であった。照明がなく浴室やトイレといった衛生設備が備わっておらず、ネズミや昆虫がうごめき、賞味期限切れの食材や衣類、壊れた家具などがあちこちに散らばるなど「ゴミ屋敷」状態であった。悪臭も酷く、警察官らはマスクを着用しなければならないほどであったという。

こうした劣悪な環境で暮らす子供達の目の前で、男の女性への虐待は日常的に行われていた。家宅捜索によって女性は無事救出されたが、彼女と2人の子供達はすぐに病院及び保護施設に送られた。

事件発覚後、男は家族に対する虐待行為や強姦容疑などで逮捕されたが、取り調べに対し女性に性的暴行を加えたことや彼女の自由を奪ったこともなく、また自分の子供達を虐待していないと容疑を否認しているという。



画像は『La Repubblica.it 2017年11月22日付「Lamezia, ex badante segregata come una schiava per 10 anni: arrestato cinquantenne」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)

このニュースに関するつぶやき

  • 確かに10年という歳月は戻りませんが、救出されて本当に良かったとも思います。似たような境遇にある人たちがすべて解放されることを祈ります。
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