■守ってもらう必要はない
「オレがきみを守るよ」という言葉、言われたら目がハートになる女性は今もいるかもしれない。だが、大人の女性たちの間では、「男が女の何を守るの?」という話になっている。
「たとえば、『パートナーの名誉を守るための手助けをする』というならわかるけど、一方的に男は女を守るものだと言われると、その裏に『だから黙ってついてこい』というニュアンスが見えますよね。それを今の時代、よしとする女性がどのくらいいるのかなと思ってしまいます」
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ナツミさん(33歳)はそうつぶやいた。彼女自身、かつてそういう男性と付き合ったことがあるのだという。
「オレはきみが大事だから、世間の汚いところを見てほしくない。だから就職なんかしないで結婚しよう、と当時付き合っていた人に言われたことがあるんです。学生時代、バイトしていた先の社員でした。私にしてみたら、『はぁ?』という感じ。私の人生を勝手に決めないでよと。速攻で別れましたけど」
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子どもは親が守ってやらなければ生命が維持できない。だが恋愛の場合、相手は大人である。完全に庇護するのは無理だし、それは支配につながっていく。
■何から守るのか
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芸能人の場合、心ない中傷やメディアからの追及などから、「きみを守る」ということはあるかもしれない。だが、一般的に「オレがきみを守るよ」と言ったとしたら、それは非常に漠たるものでしかない。
「女性を守れる強い男性を意味するのか、それは体力なのか精神力なのか……。まるきりわかりませんよね。男性が自分に酔うために言っているとしか思えない」
ナツミさんはそう言って笑う。ただ、そういう気概をもつことで、「男が男でいられる」という側面はある。それがいいか悪いかは別としてだ。
「頼りたい女性と頼られたい男性がカップルになるのはいいけど、女性がみんな『守ってもらいたい』と思っているわけではない。女性はそういうものだと思い込まないでほしいですよね」
ナツミさんの意見は、多くの女性が感じている本音だ。