自閉症児童に蛍光色の“警告”ベストを着用させた小学校 母親は激怒(英)

19

2018年03月03日 20:02  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

自閉症の男児に学校側が警告用ベストを着用させる(画像は『real fix 2018年3月1日付「Mum Left Fuming After Her Son Is Forced To Wear A High-Vis Jacket At School – Because He Has Autism」』のスクリーンショット)
自閉症の児童とそうでない子を区別するために、自閉症の児童には蛍光色の警告用ベストを着させている学校側。「両親との話し合いで決められたこと」という言い分に、ある母親は「詳細など知らされていなかった」と反論した。自閉症の息子にベストを着せられた母親が、このほど英メディアにその怒りを訴えた。『real fix』『The Sun』『Metro』などが伝えている。

英ロンドン西部ウエスト・ドレイトンのチェリー・レーン小学校にチャーリー君(6歳)を通わせている母親ジョアン・ローガンさん(42歳)は、自閉症であるチャーリー君への学校側の対応を「明らかな差別」として怒りを露わにしている。

2月22日、チャーリー君は学校の昼食時と昼休み時間に蛍光色の警告用ベストを教師らに着用させられたという。その話をチャーリー君から聞いたジョアンさんは激怒した。

「学校から帰って来た息子は、自分がされたことを泣きながら私に話したのです。確かに以前、学校からベスト着用の話が出たことはありました。ですがその理由について、きちんとした説明を私は受けていません。息子が自閉症だということを故意に区別し、周りに明らかにするためにこのような蛍光色のベストを着させることが、学校側は最善策だと思っているのです。700人ほど児童がいる中で、自閉症の子は他にもいます。なのにこの日、息子はクラスでたった一人だけこのベストを着せられたんですよ。これは、差別以外に他なりません。」

ジョアンさんは、長女マリーナさん(20歳)とともに苦情を訴えようと学校に出向いた。ところが教師の誰一人として、チャーリー君がベストを着用しなければならなかった状況などを話そうとはしなかった。それどころか、ある教師からは「あなたの息子にベストを着用させることは適切な判断だ」と言われてしまったそうだ。

「学校長と直に話しをするまで5日間も待たされました。教師らの対応にはとてもショックを受けています。息子は昼食の時間にも他の児童から引き離されていますし、その後の昼休みでも友達と遊ぶことを許されていません。学校側は、昼食時間に1人だけ友達と会ってもいいと息子に許可を出しているようです。学校からは息子が他の児童を蹴ったり叩いたりすると非難されていて、多少の問題を抱えていることは私も知っています。それ以降、息子はベストを着せられているようですが、自閉症の子とそうでない子の区別をあからさまにするのはいかがなものでしょうか。」

そう明かしたジョアンさんは、学校側からチャーリー君が他の児童に暴行しているといった報告を受けた際に、確認のため監視カメラを見せてほしいとかけあったそうだ。ところが実際に見てみたところ、息子が暴行を働いているような姿は捉えられていなかったという。

ジョアンさんにはマリーナさんをはじめ、ブレンダン君(18歳)、リートン君(16歳)、TJ君(12歳)そしてチャーリー君という5人の子供がいるが、マリーナさん以外の息子4人は自閉症スペクトラム障がいとの診断を受けている。

「チャーリーの件で対応しなければならなかった週は特に大変でした。学校長と話し合いをした結果、息子にはベストを着用させないと決断しました。息子にも『もう着なくていいから。無理に学校側が着させようとしたら逃げなさい』と伝えてあります。学校は、今いる自閉症の児童の数には対応しきれないところがあるようです。息子を特別支援学校に行かせてあげたいのですが、そうすると裁判所へ申告しなければならないので、ホームスクーリングも考えています。学校側は“安全策”と言いますが、そんなの言い訳にすぎません。」

ジョアンさんは現在、ヒリンドン・バラ協議会に4人の自閉症の息子たちが十分な教育支援を受けられるよう訴訟を起こしている。なお今回の件につき、チェリー・レーン小学校のスティーブ・ホワイトハウス校長は次のように話しており、ジョアンさんの話とは食い違いがあるようだ。

「蛍光色の警告用ベストは、680人の児童を持つ我が校では日常的に使用しています。昼食時には健康問題を抱える児童の識別を給仕係のスタッフや教師らにわかりやすくするためで、万が一何か起こった時にいち早く気付けるようにという安全策なのです。児童へのベスト着用は親の同意があって決まることです。チャーリー君に関しては、他の児童らと複数回にわたり問題がありました。それゆえ担任が母親に話をして、学校側として適切な対応をする旨を伝えたのです。ですが、もし母親がこの対応を気に入らなければ、チャーリー君にはベストを着用させないとも話してあります。自閉症の子供たちは常にサポートを要します。すぐに目につく蛍光色のベストを着用させることで、校庭でもすぐに識別することができます。親と相談して決めることなので、もしその親が後になって気が変わっても、その旨を伝えてくれさえすればこちらはすぐに対応する方針を取っています。」

このニュースを知った人からは、「こんなの自閉症のサポートでもなんでもないでしょう。こんな形で、明らかに他の子たちと区別されていることを自閉症の子が認識させられるなんて酷すぎる」「警告用ベストって…こういう対応は他の学校ではあまりないと思う」「何かあった時に識別しやすいというけれど、この学校は児童の顔を覚えようとはしないのか」「行動に問題がある自閉症の児童なら、区別させるのが自然じゃない?」「でも、ベストを着ていることで優先的に注意が払われるのならいいことでは?」といった賛否両論の声があがっている。

画像は『real fix 2018年3月1日付「Mum Left Fuming After Her Son Is Forced To Wear A High-Vis Jacket At School – Because He Has Autism」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

このニュースに関するつぶやき

  • 遺伝が物語る事実・・・
    • イイネ!5
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(12件)

前日のランキングへ

ニュース設定