世界の"グロいもの"が集結、都築響一による「渋谷残酷劇場」が開幕

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2018年04月14日 11:22  Fashionsnap.com

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展示の様子 Image by: FASHIONSNAP
編集者や写真家として活動する都築響一による展覧会「ATSUKOBAROUH Night Gallery 都築響一 presents 渋谷残酷劇場」が、渋谷松濤のアートスペース アツコバルー arts drinks talkで4月14日にスタートする。前日の13日にレセプションが開かれ、都築による解説ツアーが行われた。

 同展覧会は、2016年6月に同所で開催した"エロ"がテーマの展覧会「『神は局部に宿る』都築響一 presents エロトピア・ジャパン展」に続く企画。今回は"グロ"をテーマに、都築がこれまで取材してきた世界の地獄寺や見世物小屋、蝋人形、ヨーロッパの病理標本、拷問美術館などの写真と映像作品を公開する。
 写真作品は日本に始まり、台湾、タイ、ヨーロッパと続いて特大サイズの絵巻にプリントし、壁一面を埋め尽くすように展示。日本からは「八大地獄」で地元民に知られる徳島の正観寺や、地獄と極楽を具現した"来世観光"スポットの伊豆極楽苑、"人間ポンプ"として活動した最後の芸人 安田里美による見世物小屋など、全国各地の秘宝館や寺が紹介されている。すでに失くなっていたり取材禁止になったところも多く、貴重な記録にもなっている。写真作品に加え、会場中央には40〜50年前に制作されたろう人形2体が設置された。
 台湾の作品では2つの寺にフォーカス。観光名所の寺とは異なるアナクロニズムな映像作品を見ることができる。タイでは田舎にある寺を中心に取材を敢行。舌を抜かれたり頭が切り裂かれたグロテスクな作品群は子どもが悪事をしないための教育的なアプローチが込められており、都築は「寺の大工や僧侶、孤児院の子どもといった素人が作っていて、アーティストが関与していないところが最高に面白い」と評している。
 ヨーロッパ編では、内装がすべて人骨でできているチェコのセドレツ納骨堂や、ミイラ約8,000体が収められたシチリア島のカタコンベ、ロンドンの拷問美術館などを紹介。都築は「同じ地獄のアイデアでも、アジアには気持ち悪さの中にお笑いの要素も含まれるが、ヨーロッパはお笑い感覚ゼロで容赦ない感じがある」とし、アジアと分けて構成したという。仕切りが設けられた一画には、ろうで作られた病気の標本など病理系の資料をはじめとする"特に気持ち悪いと思うもの"を特集。洋服を着せたものもあり、都築は「"綺麗にしたい"という絵心が加味されているところにヨーロッパらしさを感じる」と解釈している。
 エロは日本独特のものがあるが、グロテスクな"気持ち悪いもの""怖いもの"に対しては「アジアもヨーロッパも考えていることは一緒ではないか」という発想からこれらを取材してきたという。「文明によってアプローチが異なるが、人間は怖いものに対していかに興味を示すかが如実に見えて面白い。"グロ"がどれくらい楽しんでもらえるかは未知数だが、広く知ってもらえると嬉しい」と呼びかけている。
 18歳未満入場禁止で、料金は1,000円。会期中はゾンビメイクが500円で楽しめるほか、ゾンビパフォーマンス集団「ゾンビーナ(ZOMBIENA)」が在廊するイベント「ゾンビナイト / ZOMBIE NIGHT」や都築によるギャラリートークを開催。また、会場内では関連グッズを販売する。
■ATSUKOBAROUH Night Gallery 都築響一 presents 渋谷残酷劇場会期:2018年4月14日(土)〜5月13日(日)会場:アツコバルー arts drinks talk住所:東京都渋谷区松濤1-29-1 クロスロードビル5F開館時間:水〜土 16:00〜22:00、日・月 11:00〜18:00定休日:火曜日入場料:1000円※18歳未満入場不可※ガチゾンビメイクの来場者にはミニゾンビドリンクサービス。問い合わせ:ab@l-amusee.com / 03-6427-8048公式サイト
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