ママのお悩み「腱鞘炎」予防に!気をつけたいNG動作とテーピング法

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2018年05月12日 22:22  &Mama

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育児中のママパパとお話ししていると、皆さん「腰が痛い」「肩がこる」など何かしらの身体の負担を訴える方がほとんど。


その中でも意外と多いのが手首のだるさや痛みを訴える方。こうした手首の痛みは、悪化すると“腱鞘炎”に発展することがあるため注意が必要です。


特に産後ママに気をつけて欲しいのが、「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」という親指の付け根に痛みが出るタイプの腱鞘炎です。


今日は理学療法士の筆者が、ドケルバン病の予防法や生活上の注意点について、これまでの経験をもとにご紹介していきます。



▼腱鞘炎とは?

腱鞘炎とは、「繰り返し手を使用することによる機械的な刺激が、腱周囲組織に加わり炎症を起こすもの」とされています。(※1)


簡単に言うと、“手の使いすぎで腱が腫れている状態”ということですね。


その中でも手首の親指側に痛みが出る腱鞘炎が、「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎※きょうさくせいけんしょうえん)」と呼ばれています。


下記の写真をご確認ください。親指を反らした時に浮き出る腱のうち、赤い線が短母指伸筋、青い線が長母指外転筋の腱です。


photo by author

これらの腱は腱鞘というトンネル状の組織(写真の黄色い丸の部分)で包まれていますが、親指の使いすぎによりこの腱鞘が肥厚(分厚くなること)したり、腱の表面が傷んだりして炎症を起こし痛みを生じるのが主な病態です。(※2)



▼ドケルバン病の簡単チェック法

ドケルバン病を評価する方法として有名なのは、“フィンケルシュタインテスト変法”という評価法です。


下の写真のように親指を握り込んだ状態でグーを作り、そのまま手首を小指の側(赤い矢印の方向)に曲げていきます。その際に手首の親指側(黄色で囲った部分)に痛みが出るとドケルバン病が疑われると言われています。(※1)


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この症状は親指の使いすぎが原因なので、ご自分で普段の生活習慣や動作方法を見直すことで、軽い症状であれば改善が期待できます。


なお個人差はありますが、安静にしていても痛みが3〜4日経っても治らない場合や、動かさなくても常に痛みが出る状態であれば、早めに整形外科を受診することをお勧めします。


安静で軽快しない場合は薬物療法や手術療法の適応になることがあります。



▼炎症改善に役立つテーピング法

親指の使いすぎが炎症の原因ですから、症状を改善するにはとにかく安静が第一。しかし普段の生活で親指を使い過ぎず安静にするのはなかなか難しいもの。


まずは痛くなる方向に力を入れないことや、痛みがないほうの手を優先して使うようにする、といった点を日常生活の中で心がけることが重要です。


また、テーピングにより筋肉の動きをサポートするのもよいでしょう。今回は伸縮性のある幅5cm幅のテーピング(キネシオテーピング)を使用した方法をご紹介します。


このテーピングは市販品であり、スポーツショップやドラッグストアなどで購入できます。


体格に合わせておよそ10〜15cmの長さのテープを用意します。この際、四隅を丸く切り取っておくとテープがはがれにくくなります。


緑:長母指伸筋 赤:短母指伸筋 青:長母指外転筋

下の写真のように親指の第1関節よりも先端からテープを貼りはじめ、テーピングの右端がちょうど腕の真ん中(下の写真の青線)に来るように、角度を付けて貼り付けます。


テープを親指の先端近くから貼り始めることで、先ほど述べた2つの筋肉に加え、緑の線で示した長母指伸筋も含めた範囲のテーピングになりますので、より親指にかかる負担の軽減を図ることが期待されます。


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なお、痛みが強かったり、炎症所見(腫れがある、熱をもっているなど)がある場合は、自己判断でマッサージやストレッチは無理に行わない方がよいでしょう。


その際は早めに整形外科など医療機関を受診してください。



▼腱鞘炎予防のために気をつけたいNG動作

安静にすると同時に意識したいのが、普段なにげなく行なっている親指を酷使する動きです。


特に負担が強いのがスマホの操作。


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多くの方は上の写真のように親指で操作していると思いますが、実はこの画面上で親指を上下左右に滑らせる動きが、筋肉・腱への大きな負担になってしまいます。


親指を休ませるためには例えば下の写真のように片手でスマホを支え、他方の人差し指で操作するといった工夫が必要です。


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また、ベビーカーの操作やだっこ、おむつ替えなども手首に負担がかかりやすい動作です。手首の力だけで強引に動作を行うのではなく、身体全体を使った動作になるように心がけましょう。



手首の使いすぎは育児の負担がママ(またはパパ)だけに偏っていることが原因であることも多いように筆者は感じます。


家族全体で育児や家事の分担を話し合ってみることが、一番の特効薬かもしれません。ぜひご参考に。


※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。



【参考・画像】
※1 国分正一 鳥巣岳彦 監修「標準整形外科学 第10版」(2008)- 医学書院
※2 ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎) – 日本整形外科学会ホームページ
※3 整形外科リハビリテーション学会 編「 関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション 上肢・体幹」(2014)メジカルビュー社
※ Africa Studio / Shutterstock


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