警官に噛みつき拘留された子犬、無事に飼い主のもとへ戻される(英)

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2018年11月25日 14:32  Techinsight Japan

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警官を噛んでしまった生後4か月のチャウチャウ犬(画像は『BBC News 2018年11月22日付「Bungle the chow-chow: Why police seized this fluffy dog」(PAMPER MY POOCHIE)』のスクリーンショット)
飼い主の自宅から逃げ出した生後4か月のチャウチャウ犬が、警察官に噛みつき怪我をさせたことで拘留されてしまう事態が起きた。このニュースは英タブロイド紙の一面を飾るほど大きく報じられ、人々によって「子犬を飼い主のもとに戻してあげてほしい」とオンライン署名運動が行われただけでなく、ソーシャルメディア上で子犬を拘留した警察に非難の言葉があがった。しかし、幸いにも犬は無事に飼い主宅へ戻されることになり、愛犬と再会できた家族はFacebookに喜びを綴った。『BBC News』『Mirror』などが伝えている。

英ノーサンプトンシャー州ストーク・ブルーアーンの路上で11月17日、1匹のチャウチャウが野放しになっているところを、別の職務で目的地へ向かう予定だった警察官が見つけた。犬は路上のトラックの下に隠れていたため、交通渋滞を引き起こしていた。警察官は犬を捕まえようと試みたが、手と腕を2回噛まれてしまったという。飼い主がそばにおらず公共に危険をもたらすと考慮された結果、犬はノーサンプトンにある「Forest Lodge Kennels(フォレストロッジ・ケネルズ)」に拘留された。

犬の飼い主デイヴィッド・ヘイズさんは、17日に生後4か月の愛犬“バングル”が自宅敷地の開放していたゲートから外に出てしまったこと、発見されたが警察に拘留されており、この先9か月間ほど犬と引き離されるかもしれないことをFacebookに綴った。するとこれを見たユーザーらが、グループアカウントで「バングルを飼い主のもとへ返してあげて」と訴えた。Facebook上のサポート数は5,000人近くにのぼり、他にもTwitterでは「#Free Bungle(バングルを自由にして)」とハッシュタグで呼びかけが行われ、オンライン署名には2,500人以上が集まるなど、バングル解放に向けてセンセーションが巻き起こった。一家はバングルの解放をめぐって、弁護士に相談する予定まで立てていたようだ。

ノーサンプトンシャー州警察は、デイヴィッドさんが話していた「9か月間飼い主と引き離す事実はない」と否定し、「犬小屋に保護しているが、できるだけ早く対応する」と答えていた。その間警察では、飼い主が1991年に定められた危険犬種法(Dangerous Dogs Act 1991)に違反し、コントロールの利かない危険な犬を飼っていたか否かの調査が行われていた。飼い犬が人や他の動物に危害を加えた場合は、飼い主が法に違反したとみなされることがあり、裁判で有罪になれば罰金もしくは最長14年の懲役刑が科せられることになり、犬は安楽死させられる場合もある。RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)のサム・ゲインズさんは、「犬が攻撃的になる場合は、飼われている環境があまりいいものではなく脅かされて生活しているからそういう行為に出るというケースが少なくないのです」と話す。そのため警察では慎重に調査が進められたようだが、4か月の子犬を拘留することに対して世間からは抗議の声が相次いだ。

「そんなことに市民の税金と時間を使わないで、本当の犯罪者を捕まえてよ! ナイフ犯罪も増えているし、ドラッグ密売だってあちこちで起こってるじゃないの。それなのにたった生後4か月の子犬の何をビビってんのよ! 呆れるわ!!」

「子犬は怖がって噛みついてしまっただけだろう。凶暴な犬ではないよ。くだらない。」

「たかが子犬だろう…警察はいったい何をやってるんだ。」

「早く家族のところへ返してあげて!!」

結果としてバングルは4日間以上拘留された後、無事に飼い主のもとへ返された。デイヴィッドさん一家は、警察から犬を自主的に常時コントロールするよう厳しく命じられた。愛犬と再会できた一家は、Facebookに「理解のある警察の方々が、バングルを返してくれました。バングルは私たちに会えてとても喜んでいました」と綴ったが、デイヴィッドさんは「犬が警官に噛みついて怪我をさせたことは本当に申し訳なく思うが、物事に全く容赦しない“ゼロ・トレランス”で対応する柔軟性に欠如しているのではないか」と警察を批判した。

これを受けたノーサンプトンシャー州警察のクリス・ヒラリー警視長は、「英国では、犬に噛まれた被害者が深刻な傷を負ったり死亡したりする事例もあります。バングルに噛まれた警官の怪我は幸いにも順調に回復していますが、この件については我々の対応が間違いだったとは思えません。犬は飼い主がいない状態で車が行き交う道路に野放しにされていました。攻撃された警官は病院で治療を受けなければならないほどの怪我をしたのです。どれだけ犬の年齢が若かろうが、怖がっていたからゆえの攻撃だろうが、潜在的なリスクがあるとわかった時点で公共の安全性を考慮しなければならず、犬を野放ししてはおけないのです。ペットを飼っている人は、いかなる時でもペットが公共に危険を及ぼすことのないよう、責任をもってコントロールし飼育してください」と述べた。

このニュースを知った人からは、「飼い主がきちんと躾けていなかったからこういうことになるのでは?」「子犬だったから好奇心で自宅の外に出ちゃったんだろうね」「無事に家族のところに戻されて何よりだけど、やっぱり飼い主がゲートを閉めたりして犬が逃げ出さないようにしていなければいけなかったよね」といった声があがっている。

画像は『BBC News 2018年11月22日付「Bungle the chow-chow: Why police seized this fluffy dog」(PAMPER MY POOCHIE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

このニュースに関するつぶやき

  • 警察の理屈は尤もで、自分は世論に迎合せずにちゃんと主張して立派だな、と思った。ただし、犬は悪くない。飼い主が悪いので、次に問題が起きたら新しい飼い主を探すべきだと思う。
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