フタル酸エステルの影響
イリノイ大学の研究チームは、「Toxicological Sciences」にて、マウスを用いた動物モデル実験より、フタル酸エステルが生殖異常、健康問題を引き起こし、生殖能力を減退させたと発表した。女性不妊の要因になると考えられる。
先行研究では、フタル酸エステルがホルモンシグナル伝達を攪乱させ、卵巣の成長・機能に悪影響を及ぼすと報告されている。
なお、フタル酸エステルは可塑剤として有用であり、プラスチック製品やパーソナルケア製品に使用される。
フタル酸エステルと女性不妊
研究チームは、雌マウスに対してフタル酸ジイソノニル(DINP)を10日間、体重1キロあたり20〜200マイクログラムの範囲にて経口投与し、身体への影響を観察した。マウスへの経口投与量は、ヒトが日常生活や仕事と通して曝露すると予測されるフタル酸エステル量である。
10日間の経口投与後、雌マウスは雄マウスとの繁殖を2回行った。投与から3ヶ月経過した時点にて、雌マウス3分の1は、投与量は最少であったものの、妊娠に至らなかった。妊娠した場合、子マウスの数は明らかに少なかったという。
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フタル酸ジイソノニルを投与された雌マウスは生殖サイクルが乱れ、経口投与後、最長9ヶ月間は妊娠能力が減退した。
また、投与されていない雌マウスと比較したところ、子宮が顕著に軽くなっていたことが認められた。しかしながら、投与後3ヶ月、9ヶ月経過した段階では、子宮の重さに関しては相違が認められなかった。
研究チームは、フタル酸エステルの曝露により、女性の生殖機能は減退し、妊娠可能性が下がると結論付けている。
(画像はプレスリリースより)
ILLINOIS.EDU
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