「アダルトビデオ(AV)の見過ぎは、脳が萎縮しちゃうかも!!」
という研究結果を発表したのは、ドイツのSimone Khn博士とJrgen Gallinat博士。
Brain Structure and Functional Connectivity Associated With Pornography Consumption: The Brain on Porn. JAMA Psychiatry. 2014 May 28
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彼らはMRIを使った研究で、AVの視聴時間と脳の「線条体」の体積には相関関係があり、AVを見過ぎると、線条体の体積が小さくなっているのではないか、と発表しました。
線条体は、脳の真ん中にある神経の塊で、運動の調節や姿勢、筋肉の緊張を調整する大脳基底核の1つです。線条体には、脳全体の情報、つまり、みなさんが実際にしている行動と心に思い描ける行動の情報が集まってきます。
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人間は、脳が興奮したときに出る「ドーパミン」が線条体に分泌され、刺激を起こし、その線条体に集まる情報に応じて行動します。私たちの行動の動機付けはある意味、ドーパミンが左右しているといっても過言ではありません。
AVの見過ぎで線条体の体積が小さくなると、ドーパミンが出にくくなってしまいます。すると、ドーパミンが得にくくなる私たちはやる気が失われたり、満足感を得られなくなってしまうかもしれません。
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このような現象を、心理学的には「馴化(じゅんか)」といいます。
たとえば、最初はジェットコースターのスピード感がたまらなかったのに、何回も同じジェットコースターに乗っていると慣れてしまうことをいいます。
刺激がなくなり快感が失われていくことは、いわゆる「飽きちゃう」ということなのですが、これは私たちの脳の防御反応の1つなのです。いつもいつも同じ刺激でびっくりしていたら、私たちはとても疲れてしまいます。そうならないためにも、ある程度の「飽き」がくることはしかたがないことといえます。
AVをたくさん見続けるということは、まさにこの「馴化」なのです。
ただ、AVに限らず、テレビをぼーっと見ていたり、動画ニュースを何気なく見ていることは、「受動的な行動」で、一番脳を衰えさせます。
ですから、なんとなくAVを見るのではなく、能動的な脳の使い方をして、AVを見るとよいでしょう。たとえば、
・見終わったら感想文を書く
・出演者の気持ちを考えながら視聴する
・自分が監督になったつもりでカメラのアングルを考える
・パートナーと一緒に視聴しディベートする
といった方法はけっこう有効といえそうです。
AVだけではないのですが、新聞も雑誌も本もテレビも、なんとなく情報を受け取っている「ぼーっと視聴」ですと、脳力は低下するばかりですからご注意を!