妊娠・授乳中の女性は人工甘味料の摂取を少量にとどめる

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2019年06月30日 09:01  妊活・卵活ニュース

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人工甘味料による影響
米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)の研究チームは、「Frontiers in Microbiology」にて、妊娠・授乳中の母マウスに人工甘味料「スクラロース」「アセスルファムK」を摂取させたところ、子マウスの代謝に対して悪影響を及ぼし、腸内細菌(マイクロバイオーム)が変化したと発表した。

「スクラロース」「アセスルファムK」は、炭酸飲料、スポーツサプリメント、甘味製品などに含まれる。これまで、砂糖の代用となる人工甘味料(非栄養甘味料)は、適量にて使用する場合、安全であると考えられてきた。事実、大人が人工甘味料を適量にて使用する場合、健康影響はないという。

しかしながら、甘味料は、母親の胎盤や母乳を介して、子供に対して少量が受け渡され、妊娠・授乳中の母親が甘味料を摂取することにより、子供の代謝、マイクロバイオームに変化が生じた。

妊娠・授乳中の母親における人工甘味料の摂取量と子供への健康影響
研究チームは、妊娠・授乳中の母マウスに「スクラロース」「アセスルファムK」を1日摂取許容量、あるいは1日摂取許容量の2倍量を摂取させ、健康影響を検証した。

子マウスの血液、排出物を解析したところ、人工甘味料による代謝や腸内細菌への影響が認められた。子マウスへの曝露は少量であったが、母マウスが人工甘味料を1日摂取許容量、あるいは1日摂取許容量の2倍量にて摂取した場合、代謝における変化は顕著であった。

人工甘味料を1日摂取許容量の2倍量にて摂取した母マウスは、人工甘味料の摂取量が1日摂取許容量である母マウスと比べ、代謝変化が非常に大きかった。

また、子マウスの肝機能も影響を受け、血液中の毒素を分解する働きは衰え、腸内の細菌代謝物が劇的に変化した。腸内細菌の変化は2型糖尿病や肥満に類似し、インスリン分泌、炎症、腸内細菌の変化を引き起こす糖の影響が拡大し、脂肪の蓄積を促し、2型糖尿病を誘発することが認められた。

人工甘味料は、食品・飲料からマウスウォッシュ、歯みがき粉、薬剤に至るまで幅広く使用され、完全に排除することは容易でない。しかしながら、研究チームは、妊娠・授乳中の女性に対して、人工甘味料の含有量を確認したうえで摂取量を1日摂取許容量以下、可能な限り少量にするように推奨する。

(画像はPixabayより)

Frontiers in Microbiology

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