Instagram、ネットいじめ対策に“不快な画像投稿に警告”機能を発表 新たな危険地帯はゲームチャットに?

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2019年12月18日 07:01  リアルサウンド

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Instagramプレス記事「Our Progress on Leading the Fight Against Online Bullying」より

 画像共有アプリInstagramは、ある新機能を実装することを発表した。その機能は、世界的に問題となっているネット上の行為に対抗するためのものだ。もっとも、ネット文化に暗い影を落とす行為はその活動範囲を広げる傾向にもある。


(参考:インスタグラム、いじめ対策の新機能をローンチ いいね非表示に続き“精神的負荷”軽減へ


・不快な画像投稿に再考を促す
 Instagramは16日、ネットいじめ対策の一環として不快な画像を投稿した時に警告メッセージを表示する機能を実装することを伝えるプレス記事を公開した。この機能は、画像に潜在的に不快な内容が含まれているとAIが検知した場合、報告を受けている投稿に似ているので再編集するように促すメッセージを表示する、というもの。具体的には「このキャプションはすでに報告を受けているものと似ているように見えます」というメッセージを表示して、「キャプションを編集」「もっと詳しく知る」「とにかくシェア」のなかからユーザにリアクションを選択してもらう。


 Instagramは、今年7月にも潜在的に不快な内容を含んでいるコメントに対してメッセージを表示する機能を実装していた。こうしたメッセージを無視するユーザは少ないことがわかったので、検知の対象をコメントから画像に拡大したのだった。


 今回発表された新機能は、まず一部の国で展開された後に数ヶ月以内に世界中に拡大する予定だ。日本における新機能運用開始日は明記されていないが、いずれ運用されるだろう。


・グローバルな問題としてのネットいじめ
 世界中にユーザがいるInstagramが対策に乗り出していることからわかるように、ネットいじめは今や世界共通の問題と認識されている。様々なテックサービスに関する調査結果を公開しているメディア『comparitech』は、11月に世界のネットいじめに関する統計調査結果をまとめた記事を公開した。


 調査会社Ipsosは、2011年から28ヶ国の成人を対象としたネットいじめに関する調査を行っている。その調査内容とは、調査対象国の16歳から64歳の成人に対して、子供がネットいじめの被害に遭ったことがあるかどうか尋ねる、というものだった。この調査の結果、世界的にネットいじめの被害にあった子供が増えてきていることが判明した。調査結果を国別に見ると、2018年時点でもっともネットいじめの多い国がインドで、反対にもっとも少ない国はロシアと日本であった。


 Ipsosは、ネットいじめに対する取り組みに満足しているかどうかについても尋ねた。その結果、ロシアと中国以外の国で取り組みが不十分だと思われていることもわかった。


 また国連が今年9月に発表した記事は、ネットいじめが起こるのは裕福な家庭の子女が通う学校だけではない、と報告している。例えば、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国でも調査対象となった若年層の34%がネットいじめの被害にあった、と回答している。


・狙われるゲームチャット
 ネットいじめが起こる場所はInstagramやTwitterのようなSNSであることはよく知られているが、最近ではゲームチャットにおいても起こっている。New York Times紙は今月7日、ゲームチャットにおけるネットいじめに関する特集記事を公開した。その記事によると現在アメリカではゲームチャットにおけるネットいじめが社会問題化しつつあるのだが、そこで起こっているのはネットいじめのなかでももっとも凶悪かつ悪質な子供を標的にしたセクストーション(性的脅迫)だ。


 『Fortnite』や『Minecraft』のような人気ゲームには、たいていほかのプレイヤーとチャットできる機能が実装されている。そんなゲームをプレイしている子供たちに対して、犯罪者はForniteにおけるV-Bucksのようなゲーム内通貨を贈って関係を築くところから始める。そして、ゲームチャットからFacebook MessengerやSkypeのようなSNSに子供を誘導して犯行に及ぶのだ。


 以上のような犯罪の撲滅を目指してアメリカのゲーム業界は、2016年にネットいじめや差別的発言に対して団結して取り組む連合を結成した。業界共通のガイドラインの発表は来年に予定されているものも、実際の対策は個々のゲーム配給会社やゲームスタジオに委ねられているのが現状だ。そんな対策のひとつとしてMinecraftを販売しているMicrosoftは、来年早々にもセクストーションを検知できるソフトウェアをリリースすることを計画している。このソフトウェアは、ほかのゲーム関連企業に無料で提供することも予定している。


 5Gが普及してStadiaのようなゲームサブスクが勢力を拡大すると、子供たちがゲームコミュニティで活動する時間が長くなると予想される。それゆえ、ネットいじめ対策はSNSだけではなくゲームにおいても早急に進める必要があるだろう。


(吉本幸記)


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  • 出来るとも思ってないので真似しろとは言わないけれど、mixiももう少しどうにかするべきだと思いますけどね。 ハゲとか言いたがるあの幼稚な連中は。
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