はじめしゃちょー、動画の「毎日投稿」を休止 YouTuberの“労働環境”を考える契機に?

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2019年12月22日 07:01  リアルサウンド

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動画サムネイルより

 チャンネル登録者数日本一(約828万人)のトップYouTuber、はじめしゃちょーが12月21日、『はじめしゃちょーの今後の活動に関して。』と題した動画を公開し、「毎日投稿」を休止すると語った。


(参考:YouTuberはなぜ「休み」を宣言するのか? 毎日投稿の重みと変わりつつある“労働環境”


 記者会見風の編集で、はじめしゃちょーらしい楽しい演出が施された本動画で、はじめしゃちょーは、明言はしていなかったものの、これまでの活動で基本線としてきた「動画の毎日投稿」について、「忙しすぎて、絶対に無理です!」と告白。はじめしゃちょーは4月にも、過密スケジュールのため「動画の更新をしばらく休止する」という趣旨の動画を公開しており、1週間程度の休みを報告しており(実際には4日後に新たな動画を投稿)、やむを得ず動画の更新ペースを落とすことも増えていたが、今回の動画では「もっと頻度を減らそうかなと思っていまして」と語っている。


 多忙を極める中で、スタッフを補強したり、編集を代行してもらったりと、スケジュールに余裕を持たせる工夫を重ねてきたが、メインチャンネル、ゲーム実況を中心としたサブチャンネルに加えて、グループチャンネル「はじめしゃちょーの畑」の人気も爆発的に広がっており、毎日の動画制作が物理的に不可能なところまで来てしまったようだ。はじめしゃちょーは静岡県を拠点に活動しており、東京での仕事が増えていることも、スケジュールが過密になっている要因だ。「うちのお母ちゃんからは、『あんた、案件動画の方が面白いよ』と言われるくらい」と冗談めかして語っていたが、企業から予算が出てサポートが受けやすく、じっくり作ることになりがちな広告案件動画と、普段の動画を比較した時に、質の違いが出てきていることを本人も「否めん!」としていた。


 「何回か“毎日出しません”ということを言っていますが、今回はガチです。面白い動画になるかはわからないんですけど、僕が本当にやりたいこと、“これぞはじめちゃちょー!”という動画を出せるように頑張っていきたいと思います」とはじめしゃちょー。今後は「一本入魂」で動画を出し、視聴者を楽しませることを誓っていた。


 今年はセイキンやフィッシャーズ・シルクロードなど、トップYouTuberが体調不良を報告するケースが増えており、視聴者からも「もっと休んでほしい」という声が高まっていた。企画から撮影・出演、編集までを一貫して手がける動画クリエイターという仕事の過酷さは、日々YouTuberの動画を視聴するファンには広く知られており、また地上波でも、かつてのように「YouTuberは儲かっている」という観点より、むしろ「大変な仕事だ」という部分にフォーカスされることが増えている状況だ。


 当サイトでも「YouTuberはなぜ「休み」を宣言するのか? 毎日投稿の重みと変わりつつある“労働環境”」(https://realsound.jp/tech/2019/09/post-422012.html)という記事で、動画クリエイターの「毎日投稿」と「労働環境」についてまとめたが、押しも押されもしないトップYouTuberであるはじめちょーが前向きに「休み」を宣言したことは、シーンにとって大きな意味があるだろう。


 生き馬の目を抜くYouTuber業界で動画の更新頻度を落とすことは勇気が必要だが、彼らが「過労」のような状況に陥ることなく、自分たちのやりたいことを追求し、これまで以上に視聴者を楽しませてくれることを期待するばかりだ。


(向原康太)


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