反米ソングを投稿した在仏中国大使館(画像は『Ambassade de Chine en France 2021年12月10日付Twitter「It is Ameri-cracy!」』のスクリーンショット) 緊迫した関係にあるアメリカと中国だが、アメリカは今月6日に中国が人権侵害しているなどの理由で北京五輪の「外交的ボイコット」を発表し、中国政府を苛立たせているようだ。そんな中、在フランス中国大使館が“反米”ともとれるような歌をTwitterに投稿し瞬く間に炎上した。『New York Post』『Fox News』などが伝えている。
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今月10日、在フランス中国大使館が「アメリクラシー(Ameri-cracy)」というタイトルの歌をTwitterに公開したところ物議を醸してしまった。投稿された動画には、シルクハットをかぶった女性がラクダや牛といったアニメの動物たちと一緒に歌う姿があった。
今年初めにTikTokで爆発的な人気を博した船乗りの歌「Wellerman(Sea Shanty)」をもとにした替え歌となっており、「民主主義を隠れ蓑にしてアメリクラシー(米政府)が世界を支配している」といった挑発的な歌詞から始まる。他にもこのような内容の歌詞が見受けられた。
「アメリカの選挙が偽情報やゲリマンダー(特定の候補者が有利になるよう選挙区を区割りすること)によって歪められている。」
「何兆ドルものお金が戦争に費やされ、貧しい人や病人に費やす資金が不足している。そんなことは無視して世界の“人権警察”を演じているのか。」
そして歌が終わると、最後に中国の国営通信社『新華社』のクレジットが表示される。『New York Post』によると、この“反米”ともとれる歌はアメリカの同盟国に訴えかけるためのものではないかと伝えているが、多くの人から反感を買ってしまったようだ。
同中国大使館の投稿には、ウイグル族の弾圧や天安門事件を持ち出して「ジェノサイドを行わない政府の方がマシだろ」「永遠の一党独裁で選挙の勝敗を心配する必要がないからね」「アメリカの民主主義は完璧とは言えないが、多くの人々を自由にし、人々の生活と仕事の創造性を作ったんだぞ」といった声があがった。
一方で「どんな内容でも投稿するのは自由だ」と擁護する声も見られたが、ほとんどが非難の声だった。『Fox News』ではこの“反米ソング”について在米のフランス大使館と中国大使館にコメントを求めたが、今のところ返答は得られていないという。
画像は『Ambassade de Chine en France 2021年12月10日付Twitter「It is Ameri-cracy!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)