雪崩で生き埋めになった犬、スキーヤーの必死の捜索で20分後に奇跡的に救出(米)<動画あり>

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2022年01月06日 22:01  Techinsight Japan

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生き埋めになった犬を救出する大学生2人(画像は『ABC News 2022年1月4日付「Helmet video captures Colorado college students rescuing dog buried in avalanche」(Robert White)』のスクリーンショット)
米コロラド州の山中で先月26日、雪崩が発生し1頭の犬が生き埋めになった。犬の発見には20分を要しており、緊迫した救出劇の様子を捉えた動画が拡散している。『ABC News』などが伝えた。

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雪崩があったのはコロラド州バーサッド・パスの山中で、猟犬として知られるチェサピーク・ベイ・レトリーバーのオス犬“アポロ(Apollo、2)”が生き埋めになった。現場は数日前に吹雪が発生し、雪崩が起きやすい危険な状態が続いていた。

飼い主のスコット・シェパードさん(Scott Shepherd、42)によると、雪崩は急な斜面にいたアポロが突然走り出したことで引き起こされたそうで、「アポロは困惑した表情で急斜面を滑り落ち、そのまま見えなくなってしまった」と当時の様子を語った。

スコットさんはアポロを探すためにスキーで慎重に斜面を滑り降りたものの、雪崩は幅約45メートル(50ヤード)、長さ約274メートル(300ヤード)とかなりのもので、最悪の事態も覚悟したという。

ちょうどその日、現場近くでは同州の「コロラド・スクール・オブ・マインズ(Colorado School of Mines)」に通う大学生、ボビー・ホワイトさん(Bobby White)とジョッシュ・トルヒーヨさん(Josh Trujillo)がバックカントリースキーを楽しんでおり、2人はアポロが雪崩に巻き込まれたことを知ると犬の捜索を買って出た。

なお自然の雪山を滑るバックカントリースキーは常に雪崩の危険があるため、アバランチ(雪崩)ギアと呼ばれるビーコン、プローブ、シャベルの3点セットを携行することが求められる。2人は早速、雪に埋まった人を捜索するための捜索機器「ビーコン」を使って埋没者がいないことを確かめると、約2.5メートルある捜索用具「プローブ」を地面に刺してアポロの捜索を開始した。しかし20分過ぎても見つからず、荷物をまとめようとしていたその時、ジョッシュさんが雪の中から突き出たアポロの鼻を発見した。

ボビーさんは前日に購入したというアクションカメラ「GoPro(ゴープロ)」をヘルメットに装着しており、救出作業の様子は動画に収められた。

動画では荒い息遣いとともに、「犬を見つけた!」「まだ生きてるぞ」「カモン、バディ!」「大丈夫か!」などといった興奮する声、シャベルや手袋をはめた手で必死に作業をする姿が収められている。通りがかりの人も雪を一緒にかきだしてくれたそうで、アポロは約1分後に雪の中から救出されると、斜面上部にいたスコットさんのもとに走っていったという。

アポロは当初、脚を引きずっていたものの現在は回復しており、スコットさんは「この事故はいい教訓になった」と述べ、こう続けた。

「雪崩の危険がある斜面で犬を放してしまったのは大きな間違いだった。2人は命の恩人。本当に感謝している。」

一方でアポロを救った2人は「犬を発見した時は信じられない気持ちだった」「まさに奇跡的」と当時の心境を明かし、ジョッシュさんは「雪崩の危険がある場所は避け、安全対策については常に学んでいきたいね」と語ると、「バックカントリースキーに犬を連れてくることは『ノー』だよ」と強調した。

なおこのニュースには、大学生2人に対し「ヒーロー」「あきらめなかったことが救出につながった」「ありがとう」と称賛する声があがっているが、飼い主を「非常識」「犬にも捜索機器をつけるべきだった」と非難するコメントも多数寄せられた。


ちなみにユタ州のアバランチ・センター(Utah Avalanche Center)によると、雪崩のサバイバーの93%は15分以内に救出された人で、45分後になると20〜30%と生存率は劇的に低くなるという。



画像は『ABC News 2022年1月4日付「Helmet video captures Colorado college students rescuing dog buried in avalanche」(Robert White)(Colorado Avalanche Information Center)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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