【専門家監修】テストの点数がアップする!? ケアレスミスの原因と防ぐ方法とは?

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2022年01月26日 00:11  スタディサプリ進路

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試験の答案を見直して「えっ!何でこんなところで間違えているの?」「わかっていたのに…」と思った経験ってある?

今回はテストや受験などでは致命傷となるかもしれないケアレスミスの防ぎ方について、専門家の先生にうかがってきたよ。

さらに、高校生のみんなにケアレスミスについての調査を実施。具体的なミスの内容も教えてもらったので、実際の事例も見ていこう。

【教えてくれたのは】

【専門家監修】ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは
出典:スタディサプリ進路

和田秀樹さん
1985年東京大学医学部卒業。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。代表を務める緑鐵受験指導ゼミナールは毎年無名校から東大合格者を出し、話題となっている。主な著書に『受験は要領』(PHP文庫)、『ケアレスミスをなくす50の方法』(ブックマン社)などがある。

どんなケアレスミスが多い?


まず、高校生309人に「自分はケアレスミスをよくするタイプだと思う?」とアンケートを取ったところ、なんと、81.9%の人がケアレスミスをしやすいと自覚しているという結果に。

専門家監修!ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※みんな自分はよくケアレスミスをすると認識しているみたい



では、実際にどんなタイプのケアレスミスが多いのか、最もしてしまうケアレスミスの種類を選んでもらったよ。

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※うっかりミスが多い傾向!


(1)注意力散漫ミス(集中できず、注意力が散漫になってしまいミスをした) 10.0%
(2)体調不良のミス(頭がボーッとしたり、体調が優れずミスをしてしまった) 3.6%
(3)うっかりミス(よく考えればわかるのだがうっかりミスをしてしまった) 51.8%
(4)勘違い・思い込みミス(問題の読み間違えや最後まで読まずに解いてしまった)34.0%
(5)その他 0.6%

今回はテストの点数にダイレクトにかかわってきそう&アンケートでも回答が多かった「うっかりミス」「勘違い・思い込みミス」について詳しく見ていこう。

みんなが実際にやってしまったケアレスミス

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※なんでこんなところを間違ているの⁉と思うことも少なくない


・「傍線部を現代語訳しなさい」という問題に傍線部外も訳してしまった(16歳女子・福島県)

・選択問題で合っているものを選ぶと思っていたら間違っているものを選ぶ問題だった(17歳女子・群馬県)

・物質Bに対して正しいグラフを選ぶ化学の問題で、物質Aに対しての正しいグラフを選択してしまった(18歳女子・長野県)

・漢字の読み方を「カタカナ」で書きなさいという問題にひらがなで回答してしまった(16歳女子・新潟県)

・数学の三角比の問題で、図形に数値を書き写す時に写し間違えをしたため解答できなかった(16歳女子・東京都)
多かったのが、問題を読み間違えるというケアレスミス。

そのほか、計算中でのケアレスミスが多いみたい。
・数学で式は合っていたのに、計算を間違えた(16歳女子・岩手県)

・数学の筆算で繰り上がりをしなかった(16歳女子・茨城県)

・1500円の3%offを答える問題で、1000円と書いてしまった(18歳女子・北海道)

・計算して出てきた答えを約分せず、そのまま7分の35と書いた(17歳女子・北海道)
数学の問題では、符号を間違えたという意見も多かったよ。
・+と−を書き間違えて、−だったのを+にしていた(16歳女子・北海道)

・数学の計算問題で()を外すとき+と−を逆にして解答した(17歳男子・大阪府)

・数学の大問(100点満点中の16点分)で符号を逆に書いてしまった(17歳女子・高知県)
どのケアレスミスも、自分も同じような経験がある…!と感じる人がたくさんいるのでは?

では、次にみんながケアレスミスをしないように、どんな対策をしているのか見てみよう。

みんながやっているケアレスミス対策


・問題文の単位や重要な言葉、数字には丸などの印をつける(16歳女子・大阪府)

・計算の途中式を簡単な問題でも書く(15歳女子・兵庫県)

・計算は必ず紙に書く。あまり暗算しない(16歳女子・岐阜県)

・公式を書いてから問題の答えを書く(18歳女子・愛知県)

・問題文から想像できる図形やグラフは自分で書いてみる(18歳女子・千葉県)
問題を解く工程のほか、見直しの時の対策もあったよ。
・見直しを2回する(15歳男子・徳島県)

・問題を解き終えて見直しをする際、自分の解答は一度忘れてもう一度問題を解いてみる(16歳女子・東京都)

・答えを書いたあとに問題と照らしあわせる(16歳女子・福岡県)
そのほか、こんな意見も。
・焦らないように、深呼吸(17歳女子・鹿児島県)

・前日よく寝る(17歳男子・福岡県)

なぜケアレスミスは起こるの?対策はできる?


そもそもなぜケアレスミスが起こるのか、和田先生に聞いてみた。

「『うっかりミス』や『勘違い・思い込みミス』が起こる原因は、慣れや気のゆるみから確認を忘れたり怠ったりする、または、過信や慢心から脳が『正しい』と判断してしまうことが挙げられます。

試験では緊張からケアレスミスをすることもありますが、冷静に見直しをすることでミスに気づくことができるでしょう。

ただ、『しっかり見直しをしよう』といくら意識してもミスを見逃してしまうものです。

ケアレスミスには一定のパターンがあり、それを防ぐための対策やテクニックがあるので、今回はその一部をご紹介します。

対策をとって試験を受けるとかなり違いがあるはずですので、ぜひ試してみてください」

プロが教える!ひと手間でケアレスミスを防ぐ方法

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※ちょっとした工夫でケアレスミスは防げる!

指差し&小声でつぶやき、写し間違いを防止


「例えば簡単な問題のはずなのに途中で行き詰まった時は、問題を写し間違えている可能性も

こうした写し間違えを防ぐためには、写したい文字を指で差し、その文字を小声でつぶやきながら慎重に書き写す方法がおすすめです。

写し終わった後も一字ずつ指で差しながら声に出して再度チェックしましょう。

特に、数学では長い数式は細かく区切って書き写すといいですね。計算式で導き出した答えを解答欄に記入する時も写し間違えが起こりやすいので注意が必要です」

積極法と消去法のセットで答えを選ぶ


「選択肢を選ぶ問題では、『正しい選択肢を探して解答する』という『積極法』と、『間違いの選択肢を消して残ったものを解答する』という『消去法』の2つのやり方があります

『積極法』で考える場合、『これが正しい』と思うとすぐに解答したくなるものですが、そこは頭を切り替えて『消去法』で見直してみてください。

広い視野で全体を見直すことで思い込みによるミスを防ぐことができるので、『積極法』と『消去法』を併用して使うことがおすすめです」。

設問の条件に印をつけて確認


「計算式や検算に意識が集中し、そもそも出した答えが設問の条件に合っていなかったという経験をした人もいるのではないでしょうか。特に設問の条件が複数ある場合は見落としやすい傾向があります。

設問を読みながら『重要』と思った箇所に下線や印をつけておき、解き終えたら導き出した解答が条件を満たしているかを確認します。確認ができた条件から下線や印に『✓』マークをつけて確認漏れを確実に防ぎましょう」。

プロが教える!計算時のケアレスミスを防ぐ方法

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※簡単な計算!と思うところだからこそ慎重に!

簡単な計算こそ慎重に


「理数科目の場合、ケアレスミスは計算プロセスで起こることがほとんど。特に、簡単な計算だから暗算でも大丈夫という油断が一番危険です。

アンケートの対策の回答にもあったように、暗算に頼らず途中式をきちんと書くことは普段から習慣づけておきましょう。

『頭』だけで計算するのではなく、『頭+手+目』を使って確認すること。これでミスを未然に防げるようになります」

符号は移項直後に慎重に確認


「アンケートでも回答が多かった符号のミス。これは『当たり前の作業』と慣れてしまったことによるミスと言えます。

このミスに対しては、途中式をきちんと書くこと、移項した直後の符号確認を徹底することが効果的です。

符号のチェックをする際に、移した項に下線を引き、移項前の符号と逆になっているかを確認し、逆になっていれば下線の下に『✓』マークを入れるとよりミスを防ぐことができます」。

公式を書き出してから数値を代入


「時間に追われている時ほど、公式を書かずにいきなり数値を計算したくなりますが、それがケアレスミスのもとになります。

公式を適用する問題では、記憶している公式をいったん書き出して『目に見える形』にしてから数値を代入する習慣をつけましょう」

プロが教える!長い文章問題でのケアレスミスを防ぐ方法

忘れそうな条件は解答欄付近にメモ


「問題文に重要な条件がいくつか出てきても、問題文が長くなるほど解いているうちにその条件を忘れてしまうことがあります。

そうしたうっかりミスを防ぐために、問題文を読んでいて『ここは重要』と思ったタイミングで解答欄付近に条件をメモしておく方法があります。

そして、答えが出たら、メモした条件と合っているかを確認します。さらに条件の見落としを防ぐため、最後に問題文を再読するといいでしょう。

解答欄付近に条件をメモする時は、鉛筆で薄く書くこと、簡潔に短く書くこと、答えを記入したら消しゴムで消すことがポイントです」

頭の中だけで考えず、図を描いて考える


「アンケートの対策の回答にあった、問題文を自分で図形やグラフ化してから解く方法も有効です。

文章題で重要なのは、情報を整理して問題の意図を把握すること。図を描くことによって視覚的に問題の意図が把握しやすくなります。

図を大きめに描けばそこに情報を書き加えることもできるので、どんな簡単な問題でも図を描く習慣をつけるといいですね」。

ケアレスミスには日頃からの対策が必要不可欠


「ミスの可能性を疑って冷静に見直しをすることは重要です。

ただ、最近の試験の傾向を見ると、長文問題をいくつも解くなど情報処理能力を問う試験が増えているので、そもそも見直す時間がないという人も多いのではないでしょうか。

だからこそ、大切なのが、ケアレスミスへの事前対策です。日頃から対策をとり、ケアレスミスを起こさない工夫や努力をすることも重要なのです」。

ケアレスミスは試験中に気をつけたり、見直しで拾ったりするものだと思っていたけど、和田先生によるとミスを防ぐ事前の対策があるそう!

さっそくその対策も教えてもらったよ。

プロが教える!ケアレスミスを防ぐ事前対策

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※自分や人のケアレスミスから学べ!

ミスを記録するノートを作る


「人間は1度した失敗を2度するもので、失敗に懲りて失敗に学ばない限り同じミスを繰り返してしまいがちです。

特にケアレスミスに関しては重く受け止めず、『次から気をつけよう』とその場で思って終わりにしてしまうことが多いのではないでしょうか。

本当にケアレスミスをなくしたいと思うなら、失敗から学び、繰り返さないための工夫や努力をしましょう。

そこでおすすめなのが、ノートに自分のケアレスミスを書き出したり解答用紙を貼り付けたりして、失敗を記録した『ミス集』をつくり定期的に見直す方法です。

そうすることで、自分がしたミスと向き合い、なぜ間違えてしまったのか、どうすれば防げたのかを検証することができます。

さらに、自分がしやすいミスの傾向もわかるので、ミスを防ぐ解き方の工夫や対策が見えてくるはずです」。

人の失敗から学ぶ


「人がする失敗は自分もしやすいもの。そこで、『失敗博物館』を作る方法もおすすめです。

これは、友達とケアレスミスの内容を共有するなど、いろいろな人がしてきた失敗の事例を集め、どんなケアレスミスが起こったのかを知るということです。ミスが起こった経緯や原因、そしてその対策を把握することで、自分自身のミス防止につながります。

人の失敗を笑うのではなく、自分も同じミスをするものだと考えて参考にしましょう」。

ケアレスミスと向き合って点数アップ

ここで差がつく!ケアレスミスを防ぐ方法とは?
出典:スタディサプリ進路

※ケアレスミスを防ぐことが合格への1歩かも⁉


「ケアレスミスを防ぐことで1割くらい点数が上がることもあり、試験に合格する確率がグッと上がります。まずは、過去の試験でケアレスミスでの失点が何点あるか調べてみるといいでしょう。

失敗から学ぶ姿勢や困難を乗り越える強い意志は、社会人になってからも役立つはずです。自分を信じて頑張ってください」。

ケアレスミスとあなどることなく、自分がやってしまった「うっかり」や「勘違い・思い込み」としっかり向き合うことがミスをなくすための第一歩。

今回、和田先生に教えてもらった方法を試してケアレスミスをなくし、試験の点数アップをねらおう。

監修/和田秀樹 文/ミューズ・コミュニティー 構成/黒川 安弥(本誌)


★和田先生の著作はこちら
▼『ケアレスミスをなくす50の方法』(ブックマン社)

出典:スタディサプリ進路


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